内容説明
本書の課題は、天文10年代(1540年代)に開始された日本と(ポルトガル・スペイン、明国、東南アジア「南蛮」)との交渉について、関連する史実の基礎的研究を行うことにある。第1部では、日欧交渉の起源、特に始発年次の解明を試みる。第2部では、鉄砲の伝来と最初期における受容・普及の諸過程を、種子島でなされた鉄砲伝来を中心として考察を行う。ことに第5章「「鉄炮記」の基礎的研究」では、「鉄炮記」の全文にわたって、原文・訓読・語釈・要旨・解説を掲げる。第3部では、日本開教の主導者フランシスコ・ザビエルの事績をたどり、その初期布教構想を跡づける。
目次
序章 本書の課題と構成(本書の課題;本書の構成;関連史料と先行研究)
第1部 日欧交渉の初期過程(ポルトガル人の種子島初来年次考;日欧交渉の初期過程)
第2部 鉄砲伝来の初期過程(鉄砲の初期伝来過程;鉄砲の初期普及過程;「鉄炮記」の基礎的研究)
第3部 日本開教の初期過程(ザビエルの「日本国王」認識;ザビエルと新納氏一族;近世日本の「ザビエル」認識)
終章(史実に関する基礎的諸問題;一五四〇年代の歴史的位置)
関係資料(池端文書;上妻隆直「種子嶋譜」(延宝五年六月上旬序)
ジョアン・ロドリーゲス『日本教会史』上
エスカランテ・アルヴァラード「報告書」(一五四八年八月一付)日影印(抄))
著者等紹介
清水紘一[シミズヒロカズ]
1942年北京生まれ。1970年中央大学大学院文学研究科博士課程中退。1970年京都市立伏見工業高等学校教諭。1973年京都外国語大学研究員。1978年中央大学文学部専任講師。助教授。教授(―2008年)。博士(史学)。中央大学人文科学研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
- 焼跡少年期 中公文庫