内容説明
多様な形で現れる中世の諸国一宮制の問題を、この時代に特有な一つの国家的な神社制度と捉える観点に立って、その成立から解体に至る過程の全体を、できるだけトータルな形で解明することを目的とする。『中世諸国一宮制の基礎的研究』『中世一宮制の歴史的展開』(岩田書院刊)の成果を集大成。
目次
序章 中世諸国一宮制研究の課題と方法―研究史の整理と課題の設定(研究史の概要と現在の到達点;中世一宮制研究の抱える問題群とその分析視角)
第1章 中世諸国一宮制の成立(研究史の概要と特徴;中世諸国一宮制の基本的性格;中世諸国一宮制の成立過程)
第2章 中世諸国一宮制の構造と特質(社官組織;社領構成;造営形態;祭礼構造)
第3章 中世諸国一宮制の変質(中世後期(南北朝・室町期)一宮の類型区分
中世後期一宮の諸形態
中世諸国一宮制の変質と形骸化)
第4章 中世諸国一宮制の解体(戦国期一宮の諸形態;戦国期一宮の類型区分と中世諸国一宮制の解体)結章 総括と展望(中世諸国一宮(国鎮守)の歴史的性格
中世諸国一宮制と日本中世国家
残された課題)
著者等紹介
井上寛司[イノウエヒロシ]
1941年生。大阪大学大学院文学研究科博士課程中退。大阪大学文学部助手から、島根大学法文学部助教授・教授、大阪工業大学情報科学部教授を経て、島根大学・大阪工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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