内容説明
本書の第一部では、江戸湾を舞台に覇を競った北条氏と里見氏の海上軍事力の実態、船軍の様相、制海権及び浦支配の在り方、船役銭・船方役など諸役、水軍政策などに関して検討を加えた。そして、三浦・房総両半島を中心として相模・武蔵・安房・上総・下総沿岸諸浦の郷村支配と両氏の水軍編成との関係についても多くをさいた。また、第二部では、まず戦国末期・江戸初期における湾奥の塩場・塩田に触れ、その最大の塩生産地であった行徳領塩浜付村々の塩業について、寛永・元禄検地と塩年貢の関係、塩浜反別・生産量の推移、塩田の仕組みと製塩技術、流通・販路、災害・普請と幕府の政策、経営形態の変化などの問題を取り上げ、江戸時代全体を通してその変遷を見た。
目次
第1部 戦国期江戸湾の海上軍事と浦支配(北条氏三浦水軍の成立;里見水軍の武相攻撃と内房総支配;里見氏内訌と水軍合戦;三浦船軍と走水海の制海権 ほか)
第2部 江戸湾奥の塩業史―行徳領塩浜付村々(徳川家康の関東入部と行徳塩;寛永の塩浜検地;元禄検地にみる行徳塩浜の実態;享保改革と行徳塩業 ほか)
著者等紹介
千野原靖方[センノハラヤスカタ]
1946年栃木県に生まれる。本籍地・千葉県市川市。明治大学卒。歴史研究家。専門は中世東国史。房総中世史研究所主宰(研究雑誌『中世房総』発行)
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