鏡の世界―石の肉体

フンケ，コルネーリア【著】〈Ｆｕｎｋｅ，Ｃｏｒｎｅｌｉａ〉/浅見 昇吾【訳】

ＷＡＶＥ出版（2015/09発売）

• サイズ B6判／ページ数 299p／高さ 20cm
• 商品コード 9784872907681
• NDC分類 K943
• Cコード C0097

出版社内容情報

『魔法の声シリーズ』のコルネーリア・フンケの最高の作品と全世界で話題になった冒険ファンタジー！

内容説明

主人公はジェイコブ・レックレス。鏡のなかの向こうに広がる異界、鏡の世界に入り込んでしまう。行方不明の父も、やはり久しい以前、そこに消えてしまったようだ。現実の世界と何度も行き来するようになると、やがてどちらが本当の自分の世界、現実の世界かわからなくなってしまう。ここでジェイコブは大きな失敗を犯す。弟、ウィルも鏡の世界へ道連れにしてしまったのだ。しかも、妖精の呪いをかけられてしまったウィルは、肉体が徐々に石に変わっていき、石の身体をもつ種族＝ゴイルに身も心も変わっていく。ジェイコブはウィルの呪いを解くために命をかけて危険な場所に赴いていく。

著者等紹介

フンケ，コルネーリア［フンケ，コルネーリア］ ［Ｆｕｎｋｅ，Ｃｏｒｎｅｌｉａ］
１９５８年ドイツの西部、ヴェストファーレン州の町ドルステンに生まれる。ハンブルク大学で教育学を修め、卒業後、教育者としての仕事のかたわら、専門大学で本のイラストレーションを学ぶ。当初は子どもの本のイラストレーターとして出発。２８歳の時からは自分で文章も書くようになり、以後フリーのイラストレーター、作家として活躍している。ドイツでもっとも著名な児童文学作家の一人であり、ウィーン児童文学賞、チューリヒ児童文学賞などこれまでに数多くの児童文学賞を受賞している

浅見昇吾［アサミショウゴ］
慶應義塾大学文学研究科博士課程修了。ベルリン・フンボルト大学留学を経て、上智大学外国語学部教授。外国人が取得できる最高のドイツ語の資格・大ディプローム（ＧＤＳ）を持つ数少ない一人（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[星落秋風五丈原]

1年前に父親が失踪した12歳のジェイコブは、偶然鏡の中にもう一つの世界があることを見つけてしまう。それから18年後、もう一つの世界でトレジャーハンターとなったジェイコブは、石化する弟ウィルを救うために奔走する。シリーズ第一作。ウィルのために犠牲を払ったジェイコブの今後や、もう一つの世界にいろいろなものを持ちこんだまま姿を消した二人の兄弟の父親の所在など謎は多く残されたまま。おとぎ話のヒーロー、ヒロインが多く登場。映像化を視野に入れている？

2015/10/18

[北風]

鏡の世界に、人は夢を見る。おとぎの国に繋がっていることもあれば、影の色濃い世界もある。フンケの最新作は、今までとは違う子供向けよりもジュブナイルに寄っている。「魔法の言葉」では、少女では無く大人たちが戦う物語だったが、よりそれが洗練され、昇華された。この薄い本に、きっと続編があるに違いないと危惧したが、その通りだった。美しくも妖しい魔女のような妖精たちに翻弄されるジェイコブは、弟への責任とその恋人に我が身を呪いながら、大きな呪いを受けてしまう。人間の絆ほど呪われたものもないのか？

2016/03/27

[ぽろん]

父親の部屋の鏡を抜けると、別世界がって、何だか、アーサー王のタンスの向こうの話みたいだと思ったら、別世界は、むしろ、指輪物語の世界⁈ おまけにお伽噺の舞台が其処此処に散りばめられてホントは怖いグリム物語を思い出した！色んな要素がギュッと詰まってて、なかなか読み応えあり。お父さんは、生きているのだろうか？

2016/01/17

[鳩羽]

行方不明になった父親の部屋の鏡を使って、不思議の世界へ出入りするようになったジェイコブ。ところが、ある日ついてきてしまった弟のウィルが、石の肉体になってしまう呪いをかけられてしまう。…グリムの昔話が息づき、魔女、ローレライ、小人などが住む別世界で、ジェイコブは弟への愛情と義務感で戦う。重さと暗さ、タフであることを乗り越えてもハッピーエンドというわけでもなく、なかなか息苦しい。けれど惜しげもなく振りまかれる幻想的なイメージや、淡々とした歴史に、別世界のリアリティみたいなものを感じられた。

2015/12/18

[reeree]

[http://mediamarker.net/u/reeree/?asin=487290768X] 原題「Reckless Steinernes Fleisch」 挿絵がたくさんあるんだけど著者が描いた絵だそうです。 ストーリーは異世界での冒険物語。 異世界は現実よりも厳しい騙し騙され呪い呪われな世界です。 実際に体験はしたくはないけど物語として読むなら殺伐ファンタジー世界も面白いよね。 魔法のハンカチは私も欲しい。 主人公の旅はまだまだ続くって終わり方で、続きも何冊か出てますが（5部作予定らしい

2016/09/02