内容説明
長年にわたる性的虐待と親の育児放棄、セックスと麻薬と嘘の世界からの脱出、その後の女優やミュージシャンとしての成功と女性としての幸せな日々…。20日で20本のハードコアポルノ映画の撮影をこなす生活から、本当の幸せを手に入れるまでの過程を、惜しげもなく語り尽くした感動の一冊。
目次
オハイオ渓谷
Cカップの災い
悶々とした日々
ルート66
カリフォルニア州ハリウッド
二本の椰子の木
中学校
学校生活の眩惑
ポルノの洗礼
堕ちた天使〔ほか〕
著者等紹介
ローズ,トレイシー[ローズ,トレイシー][Lords,Traci]
1968年アメリカオハイオ州生まれ。10歳のとき、離婚した母に連れられロサンゼルスに移り住む。たった15歳で世界中に知られるポルノ・クイーンとなる。年齢を詐称していたため事実上ポルノ業界を追放になったトレイシーは、演劇を学び88年に一般映画に初出演。離婚を経験したのち、95年にアルバムを発表し歌手デビューも果たす。現在、彼女は家出少女たちの保護施設をサポートしている。2番目の夫と2匹の猫とロサンゼルスに在住
野沢敦子[ノザワアツコ]
書籍編集者を経て、アマゾンジャパン(株)ブックス&プログラム、マネージング・エディター
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
53
1968年生まれのトレイシー・ローズ。両親の離婚、10歳のときにレイプ体験、15歳で「ペントハウス」誌1984年9月号のペット・オブ・ザ・マンスで注目を浴び、映画デビュー、18歳のときにFBIに保護されて年齢詐称でポルノ業界を追放されるまで、20本以上のハードコアポルノに出演。かつての伝説のポルノクィーンは、世に知られた児童ポルノの被害者であり、虐待された子ども時代が明らかにされる。この壮絶な彼女の人生の歩みを記したのが本書。ポルノ映画の過去がつきまとうなかでトレイシーは、『クライ・ベイビー』ではジョニー2018/07/03
osakaspy
8
前半部分は特に面白く、強く引き込まれた。何も知らない一人の少女がまるで不思議の国に迷い込んだアリスのようにポルノの世界に引きずり込まれ、そこをさまよう。不思議な生き物やビスケットの代わりはえげつない大人たちやコカインや酒。家庭やそれをとりまく環境にすでに問題を抱え、そこから逃げ出すことだけを夢想し続けていた少女はあれよあれよと言う間にほぼ無自覚のうちにポルノの世界の寵児となり、そしてあっという間に彼女の人生そのものが転落してゆく。その描写や回想のリアリティが『不思議の国のアリス』のファンタジーの対極にある2012/08/31
kenitirokikuti
7
図書館にて。原著は2003年刊行。日本では、洋ピンは過去の存在となって久しく、わたしもトレイシー未成年時代に撮影されたポルノフィルムってもんには全く覚えがない。行間を読むと、トレイシーが更生・再起できた要因は、まずドラッグをやめたことが一番大きいが、「ポルノ女優」に成り切る前に逮捕されたので、豊胸などは行っていなかったこともあるようだ▲ロジャー・コーマンが、トレイシー事件が話題のうち『美女とエイリアン』リメイクに起用する話、違った意味でひどさがある。2019/06/22
わす
1
エージェントにコカインを勧められ撮影前から酒をあおり現場にはマリファナ臭が充満している。84年当時の米ポルノ界は相当荒れていたようだ。ヌードモデルのギャラが1日200-250ドル、ペントハウスペット5000ドル(!)、ポルノ映画のデビュー作が日給450ドル、人気女優となってからは日給千ドル。約3年間の活動で3万5千ドルを稼いだという。年齢詐称発覚後にポルノ業界人がメディアでトレイシーを批判しているのは時代ゆえかお国柄か。パパラッチも執念深く、事件発覚から1年を過ぎてもまだ彼女の自宅近くに潜んでいる。2025/01/04
nekokone
1
やはり恵まれない環境2007/03/10