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内容説明
運命の女・サロメ。聖書に登場して以来、2000年の歴史のなかで、芸術家の魂を捉え、教会彫刻や絵画に描かれてきた王女サロメの意味を、ワイルドの戯曲やクラナッハ、モロー、ビアズリー、ピカソ他、250点余の図像から読み解く。
目次
第1章 聖書・史実・伝説のサロメ(サロメの原像;洗礼者ヨハネ)
第2章 美術のサロメ(中世宗教画のサロメ;ルネサンス期のサロメ ほか)
第3章 文学のサロメ―オスカー・ワイルド(ワイルドの戯曲のなかのサロメ;オーブリー・ビアズリーの挿絵 ほか)
第4章 近代美術のサロメ―ファム・ファタールとして(ギュスターヴ・モローのサロメ;グスタフ・クリムトのサロメ ほか)
著者等紹介
井村君江[イムラキミエ]
日本における妖精学の第一人者。東京大学大学院人文科比較文学博士課程修了。ケンブリッジ大学・オックスフォード大学留学。元明星大学教授。井村君江妖精美術館館長。フェアリー協会会長。イギリス及びアイルランド・フォークロア学会終身会員。日本ワイルド協会顧問
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rinakko
9
福音書では名の記述もない王妃ヘロディアスの娘サロメは、あくまでも異父王ヘロデがヨハネを斬首した事件の加担者としての画題だった。それが時代を経、ルネサンス期では華やかに舞う女人、さらに生首を持つ残忍な妖しい女性像へと変貌していく。宗教から離れ風俗画へ、母王妃の意のままになる王女から意思を持つ女性へ、そして…。昔々モロー《出現》に魅入られて以来サロメは好きだが、サロメと母王妃が混淆され、母親の邪悪さがサロメひとりに移行し吸収されていった…という考察など、とても面白かった。戯曲『サロメ』にはかなり頁を割いている2018/06/24
ここ
4
サロメの話や絵画が好きで読んでみたんですが、筆者の情熱に感服してしまいました。サロメ好きの方は読んで損はないです!!2009/10/07
123456789wanko
3
明らかな間違いや、図版の出典不明なものがあるなどマイナス面もあるが、それらを凌駕するサロメへの溢れんばかりの愛情、いや執着を感じる。こまけえことはいいから、サロメの世界に浸りやがれ、という一冊。2011/01/12
のっち
3
たくさんの画家がいろんな表現で描いてきたサロメ。魅力的な素材です。2010/06/25
∃.狂茶党
2
文学者の追い求めるサロメの姿。歴史家でも、美術史の専門家でもないが、聖書の前後、事件から、絵画、ワイルドときて、再び絵画。物語はまだ途中で、二十世紀、二十一世紀のサロメについても読みたいところですが、それは書かれることはないでしょう。図版がもっと大きくて、フルカラーだとよかったのですが。2020/10/27