内容説明
日本人は魂の底から美を愛していました。官能性を崇拝してきました。その官能性はいわゆる性ではなく、自然から引き出せる、五感を開いて楽しむものです。「前世は日本人だった」と信じる著者が語る、セクシーな肌触り、歯触り、耳触りのアイテム。
目次
巡り合い―Encounters(これも何かの縁だった―Ins and outs;「ただの茶碗」は、ただものじゃなかった―Aggresive art;みんな職人だった―Meeting beauty ほか)
型のある風景―Forms(体が自然に動いた―Unconscious movement;まことにもったいない―Feeding the soul;見返り美人をやってみたい―Now you see it… ほか)
風流な遊び人たち―Pastimes(昔の人は偉かった―Lost poets;女同士で温泉めぐり―Unclothed;触感も味のうち―Feely food ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
41
日本人としては当たり前すぎて、何も感じていないところに目が向けられていて新鮮。著者は趣のある古い日本の町屋に住まわれたことがあって、その時に「打ち水」をすることの素晴らしさに気づかれました。家の桟をきれいにするのは、家を美しく飾ることではなく、チリや埃などの余分なものを払ったり拭きとったりして、家の素顔を出すこと。埃を打ちしずめるから打ち水なのだと。また「枯れ山水」や石庭のような引き算の美学。「モノノアワレ」や「用の美」といった、日本の四季が育てた日本人の美学に惹かれていました。外の人から知る日本だなぁ。2022/07/31
Mayu
4
とても読みやすくさらっと読めて、面白かったです。著者はおそらく多くの人に受け止められやすいようにという意図で、あえてミーハーな外国人風に書かれていると思いますが、勉強も沢山されているし、感覚的にかなり深い理解をされているのでは、と感じました。いわゆる性ではなく、自然から引き出せる、五感を開いて楽しむ官能性を日本人は大切にしてきた、という序文にとても共感できました。茶道に関する記述では、自分とは全然違う角度から見ている部分が多く、目を開かれるような、とか、生活に取り入れてみよう、と思うことが多かった。2018/04/01