内容説明
日本に魅了された中立国スイス公使が綴る、太平洋戦争の裏側。
目次
イントロダクション 日出ずる国の崩壊
日記 ある証人の日記(一九四〇年;一九四一年;一九四二年;一九四三年;一九四四年;一九四五年)
著者等紹介
ゴルジェ,カミーユ[ゴルジェ,カミーユ] [Gorg´e,Camille]
1893‐1978年。スイス生まれ。1916年ジュネーブ大学法学部卒業。連邦公務員(経済省、政治省)。1924‐1926年に法律顧問として日本外務省に派遣された。1939年まで、国際連盟をはじめとする国際機関や外交会議にスイス代表として参加し、特に活躍した。東京(1940‐1945年)、アンカラ(1946‐1950年)、モスクワ(1950‐1953年)、コペンハーゲン(1954‐1957年)のスイス公使を歴任後、1957年に同公使館が大使館に格上げされた際に大使に就任した。法律および文芸作品も執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
17
第二次世界大戦中に駐日スイス公使として活動した著者による日記形式で再構成された回想録。中立国として複数の国、とりわけ英米の日本における利権を代弁する役目を担う。また、日本国内での戦時捕虜の待遇に対する監視業務にも尽力。日本の戦況が悪化するに連れ、物資の不足に見舞われ、空爆の危険から軽井沢へ疎開するも厳しい環境に直面する。元々日本に対して好印象を持っている著者が、日本の軍国化でその印象が揺らいでいく過程が文学的な趣きで綴られる。そのあたりが本書の読みどころであろうか。2024/06/22