内容説明
悪魔グノームは手下とともに人間の心臓を城に集めて生息している。心を盗まれたことも知らずに、人は醜行を恥じず、愛を顧みない。妖精がポールに恋人ジャンヌを導き手としてグノームの城に向かわせ、心臓を取り戻させる。さまざまな冒険の末、彼はクルミの形をした心臓を皆に飲ませて、人々に優しい心が甦る。ボヴァリー夫人を書き終えた作者は、まったく異なるジャンルの作品に友人たちと挑み、最晩年に完成。舞台背景画や挿絵に添えて、風刺に満ちた作家独自の美学で、フランス社会が鮮やかに浮かびあがる。
著者等紹介
柏木加代子[カシワギカヨコ]
1947年大阪市に生まれる。1978年大阪大学大学院文学研究科博士課程仏文学専攻修了。現在、京都市立芸術大学名誉教授、パリ・ソルボンヌ大学第3期文学博士、パリ第8大学文学博士、大阪大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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