内容説明
世界史全体を鳥瞰した構図の提示、先端研究と新領域の多彩な記述、固有名詞や年代の羅列を排除、中学・高校の歴史学習との連携、市民が読める教養としての歴史。新しい世界史がはじまる。
目次
なぜ世界史を学ぶのか
古代文明・古代帝国と地域世界の形成
地域世界の再編
海陸の交流とモンゴル帝国
近世世界のはじまり
大航海時代
アジア伝統社会の成熟
ヨーロッパの奇跡
近代化の広がり
「ウエスタン・インパクト」とアジアの苦悩
帝国主義のアジアとナショナリズム
第二次世界大戦とアジア太平洋戦争
冷戦と民族独立の時代
現代世界の光と影
どのように世界史を学ぶか
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
16
阪大教養課程の世界史教科書。従来の詰め込み・縦割り・西欧中心の記述から脱却すべく、様々な工夫が施された、簡潔ながらよくできた教科書である。加えて、日本人の研究者らによる最新の研究成果が随所に盛り込まれているので、(ちょっと前の)高校教科書でしか世界史を触れたことがない人が読んだら、あまりの違いにぶったまげるかもしれない。史学科の学生にはもれなくおすすめ。2015/07/09
かんがく
15
歴史総合に向けてグローバル・ヒストリー的な視点を獲得するために読む。あくまで教科書であるため重要な出来事を網羅的に記しつつも、単なる事実の羅列にならず、各出来事の繋がりや比較に重点を置いている。また、コラムにおいて歴史解釈や現代社会の問題についての視点も扱えている。近現代を中心にもう一度読み返してこの内容を説明できるくらいに理解を深めたいと思った。2021/11/18
為行
7
読み始め。いい本だと思う。世界史の学びなおしの1冊目として手に取った。内容:「暗記事項の羅列はせず、細かいことを書かない(書けない)代わりに大づかみな見取り図を示している」(序章から引用)。自分は理系で、高校での世界史は秦が中国統一したくらい?までしか学べなかった。学びなおしの際、いきなり用語を頭にインプットするのではなく、大きな流れを詰め込みたかったので、読んでよかった。次は高校教科書(歴史総合と世界史探求)を読むつもり。本書にはない暗記事項の羅列をインプットしたうえで、本書再読で流れをつかむ。2024/01/06
キリル
4
対象とする読者層の知識レベルが高いことを想定されているからか内容は濃く教科書レベル+αという印象です。コラムが面白く読みながらの休憩になるだけでなくそこをもっと知りたいと思わせるようなものもありよかったです。ただ、写真などビジュアル資料が少なく、ほとんどが文章なのはいただけません。せめて章末ごとに取り扱った範囲の地図がほしかったところです。2015/02/08
oDaDa
3
『市民のための世界史』#読了。西のGH史観の牙城大阪大学の教授陣がイニシアチブを取り提示する新たな世界史教科書。序文で高校教師への「挑戦状」として意気込みは中々こうばしいが、要は関係史として地域を相対化した世界史。古代ギリシアや中国の土地制度などの微細な用語はばっさりカット。しかし世界史の面白さはその用語にあったりするので、結局のところ山川教科書を読んでおいた方が後々の「教養」としては役に立つだろう。これは二冊目の教科書としてダイナミックな世界市民としての視座がほしい人向け。2021/09/22
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