内容説明
日本史・アジア史・西洋史の全体をとらえ、歴史の魅力を探る。歴史によせる高校・大学・市民の期待に向き合う阪大歴史学の成果。
目次
第1部 歴史学の危機と挑戦(現代社会の歴史離れと歴史教育の混乱;歴史学の限界と動脈硬化;そもそも歴史学とはどんな学問か;歴史学の論理展開;新しい歴史学の躍動;阪大史学の挑戦)
第2部 東南アジア史の可能性(東南アジア史とその研究視角;役に立つ東南アジア史;面白い東南アジア史;わかる東南アジア史)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetuneco
6
歴史って事実をどう綴るかが大切。どう見せるかが大切。なんだと思う。。2011/12/30
さとうしん
2
歴史教育に特化した史学概論本。前半が日本の歴史教育と歴史学研究の問題点について、後半が著者の専門とする東南アジア史の教育について。歴史用語の暗記にこだわる日本の歴史教育は、長文の暗記(論理の暗記もその中に含まれる)を求める中国・韓国の教育にかなわない、日本の文化は中世までは東南アジアの文化と類似していたが、江戸時代の「鎖国」によって東南アジア的な文化が失われたなど、本筋とは関わらない小ネタもなかなか読ませる。2016/04/15
葛城
1
主張はよく分かる。現場に気を遣っているのも分かる。だが、実際限られた授業数で教えるにはキツイ。生徒の理解を斟酌しないでジェットコースター的に教えるのがいいのか、中途半端な範囲でもじっくり教えていくのがいいのか。2010/09/21
Humbaba
1
一言に歴史と言っても,その中には日本史やアジア史,西洋史といった横の分類から,古代史や近代史,現代史までの縦の分類など様々なものがある.それらの全体を捉えることで,今までとは違った歴史観を持つことができるようになる.2010/08/10
しろのやま
0
高校以前の歴史教育や大学の歴史学の問題に関しての阪大史学から提言。東南アジアという地域研究をするなかで生まれてきた発想が幅広い視点から書かれている。さすがにグローバルヒストリーの旗手たる阪大史学で広げる風呂敷が大きい。例えば中世東南アジアの社会組織を日本の権門体制と比較したり、作用反作用といった物理学的な発想を取り入れたり縦横無尽である。阪大志望の受験生は第二部だけでも目を通すと東南アジア史の問題が出題された時、その出題意図や解答への発想に非常に役に立つかと。2014/07/06
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