内容説明
印鑑、落款、御璽の意味は?古来からの知恵を今に受けつぐ懐徳堂の膨大な品々から学ぶ。
目次
1 大坂町人の学校(貴賎や貧富を問わず同輩;日本最高水準の高等教育;二つの奇跡 ほか)
2 奈良 大坂 墨の道(製墨の工程;虎変と豹変―「礼楽刑政」墨と寛政の改革;荻生徂徠と懐徳堂―「吾先子」墨 ほか)
3 印章の中の小宇宙(篆刻と印章の基礎知識;懐徳堂印譜;風格と雄渾―中井竹山の印 ほか)
著者等紹介
湯浅邦弘[ユアサクニヒロ]
大阪大学文学研究科教授。専門は中国思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きさらぎ
4
引き続き懐徳堂(笑)竹山が注文した特注の墨の話とか、260点にのぼるという懐徳堂文庫に残る印章コレクションの話とか。製墨の工程や印章の基礎知識も仕入れつつ、実物に即して竹山や履軒の感性や考え方に触れることが出来る。墨の話については、筆者が初めて見いだしたといっていい資料の話で、気持ちの高揚が読み手にもひしひしと伝わってくる。印章については、竹山と履軒の対比がとても面白い。竹山の学主としての気概と自負、履軒の超俗的な遊び心。印章から二人の人柄は十分偲べると思う。やはり実物が残っているのはいいなあ。2016/11/01