内容説明
本書は大阪大学の歴史系研究者によるリレー講義「歴史学方法論講義」の成果である。旧来の伝統的な歴史学研究の枠組みを、アジア地域研究や、日本史をとりこんだ世界史研究(グローバルヒストリー)の観点から見直し、新たな研究の切り口・見方を提示しようと試みた。
目次
歴史学のフロンティア―地域から問い直す国民国家史観
1 国家を問い直す(中国の自画像と日本の中国像;二〇世紀中国の「国民国家」的凝集力―「党国体制」の政治制度化;アメリカ史における地域;イギリス帝国とヘゲモニー)
2 地域から歴史学を問う(日本近世の地域支配―大坂町奉行による摂津・河内支配を手がかりに;再び奴隷になる―沖縄人プロレタリアートとは誰のことか;複数形のベトナム史、閉じないベトナム史―二〇世紀に書くベトナム史と二一世紀に書くベトナム史;仏像の受容と変容―インドから中国、東南アジアへ ほか)
著者等紹介
秋田茂[アキタシゲル]
1958年生まれ。大阪大学大学院文学研究科・世界史講座・教授
桃木至朗[モモキシロウ]
1955年生まれ。大阪大学文学研究科・世界史講座・教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
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プチ 学術書 大阪大学の歴史系研究者によるリレー講義「歴史学方法論講義」の成果。旧来の伝統的な歴史学研究の枠組みを、アジア地域研究や、日本史をとりこんだ世界史研究の観点から見直し、新たな研究の切り口・見方を提示する。 国家を問い直す 中国の自画像と日本の中国像 / 堤一昭著国家を問い直す。他2008/12/18
Teo
0
序章や編者あとがきで色々能書きをたれているが、結局のところ研究費を獲得する為にそれなりの共通テーマを設けて各々が自分の分野で研究した内容を成果とした本。私としては第一章の「中国の自画像と日本の中国像」が得るものがあったかな。それにしても未だにマルクス主義的歴史観を持った研究者が居る事に驚き。日本の文系の研究の後進性は手が付けられない。2008/12/15