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大阪大学新世紀レクチャー
現代能楽講義―能と狂言の魅力と歴史についての十講

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  • サイズ B6判/ページ数 331p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784872591484
  • NDC分類 773
  • Cコード C3074

目次

現代の能楽事情とその問題―本書がめざすもの
能楽は現代にいかに生きているか―役者数・公演数・復曲・新作・海外公演
「能」という名称をめぐる諸問題―「能楽」「猿楽」「申楽」「謡曲」の意味とその相関
夢幻能と現在能―夢幻能にみる能の演劇的創造
能が演じられた場所―「神事能」「勧進能」「私的催し」「公演」
能を演じてきた組織とその変遷―「座」「流儀」「家」という視点から
「詩劇」としての能―能の「読み方」を考える
能舞台の変遷―能楽堂の出現まで
世阿弥の生涯と業績―世阿弥研究の現在
能の変化―上演時間・上演機構・詞章・演出をめぐって
狂言の歴史と魅力―その概略
閉講にさいして 能と狂言の行く末―むすびにかえて
能はいかに読まれるべきか

著者等紹介

天野文雄[アマノフミオ]
昭和21年、東京都生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授(芸術学講座)。文学博士。早稲田大学第一法学部卒業後、社内報編集者などを経て、国学院大学文学部に学士編入学。引き続き、同大学大学院に進み、同大学院文学研究科博士後期課程修了。国学院久我山高校専任講師、上田女子短期大学助教授を経て、昭和62年、大阪大学文学部芸能史・演劇学講座助教授に着任、現在に至る。専門は能楽史で、著者に『翁猿楽研究』(平成7年、和泉書院。第18回観世寿夫記念法政大学能楽賞を受賞)などがある。また、研究と併行して、廃絶曲の復活上演など能楽界との交流にも積極的で、伊藤正義大阪市立大学名誉教授らとともに観世流の大槻文蔵氏らとの復曲活動にも多数参画し、大阪能楽養成会の教養講座で若手能楽者に能・狂言とその歴史についての講義も行っている。現在は新しい視点からの世阿弥研究と、演劇としての能をいかにして総合的かつ統一的に読解するかという課題に取り組んでいる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

牧神の午後

2
ぶっちゃけ初心者お断り。最後の補講「能はいかに読まれるべきか」から読むと判りやすいと思う。大学の公開講座で話したものなので、内容も平易。そして、筆者の主張もここに集約されていると思う。「学び」がないと理解できない芸術も確かに存在するのであって、たんなる感性頼みでは限界があると言うこと。たとえばクラシック音楽ではオーセンティックな演奏、あるいはモツレクの補筆等々、学究的なアプローチが演奏、ひいては聴き手にフィードバックされる、さらにオペラーの読み込みに近いものが能でももっと盛んになれば、ということか。2013/11/20

O. M.

1
能楽の歴史と現在についての研究書で、やや専門的過ぎる論説です。大学の先生らしく関係文献がきっちりと参照されているのが良いですね。真面目に能楽を学問したい方には、色々と発見があるでしょう。著者は、個々の演目の主題にもっと注目しましょうよ、という主張をされています。私は初心者ゆえ、能楽は様式美を楽しむものかと思っていましたので、新鮮な読了感がありました。2014/02/16

ととろ

0
標題に「現代」と銘打つ通り、能の成立期から現代に至るまでの、能を取り巻く状況の変遷を軸にした概説書である。能は古典芸能として知られるからには古来の伝統を維持していると思われがちであるが、世阿弥による成立当初と比べると、芸能として洗練されていく過程で時間、形態、役割などを変貌しながら今に至っている。本著は能という芸能そのものには横断的に触れているが、個別の作品へは踏み込んで言及していない。能を古典芸能として“観る”だけに留まらず、文芸作品として“読む”ことを目的とするならば、他の書籍を手に取る必要がある。2014/10/06

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