内容説明
日本の精神病院は、どのように発生し、そして展開したのか?『精神医学とナチズム』の著者が自らの足で集めた証言と独自の類型学、文献学、そして日常の治療実践を通じて現行の精神医療のありようそのものを起源から問い直す、歴史と精神医学の画期的遭遇。
目次
1 精神病院史としての精神医学史(精神病院史としての精神医学史)
2 日本における精神病院の系譜(奈良期の仏教的社会福祉施設;水治療と密教寺院;漢方治療と浄土真宗寺院 ほか)
3 補章(精神病院の史的類型の変遷とその問題点;精神病治療におけるパラダイム変遷;精神病院とアジール)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sabato
4
図書館でなぜか手に取り、一気に読破w 修士論文でこの視点とよく似たことを一生懸命調べて書いたつもりだったけど、もうこの本はすごすぎた!もっと早く読んでおきたかった。著者はお医者さんなのだが、この調査力!すさまじい。向精神薬が日本で発売される以前までは、寺院が秘薬として作っていた漢方を製薬会社に作らせていたことなど、ほんまなんか勉強になった。ただし、民俗学や社会学の一部の専門分野に興味のある人以外が読むと、ちょっと日本の恐怖歴史の読み物になるw2011/01/27
sabato
1
大学の授業の準備で再読。そして、この本をもとに、京都の岩倉へ調査へ。大雲寺に、60年前に移り住んできたという婦人の話を聴くこともできなんかいろいろ歴史とこの地の聖地としての重みというのも改めて感じられた。って、こんな話を学生に話ても、いったいどれくらいこの感動が伝わるのだろうかw2014/11/13