出版社内容情報
山田は一九六七年生まれで、八〇年代後半から九二年にかけて、「ガロ」、「ヤングマガジン」、「リイドコミック」などに独得の暗い作品を発表し、一部に熱狂的なファンがいた漫画家である.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』146-147頁、より)
内容説明
1992年、高層住宅の11階から飛び下り自殺し、24年の短い生涯を終えた漫画家・山田花子。いまだに熱狂的なファンを持つ彼女が、死の直前まで書き記していた日記が存在した…。
目次
高市由美(山田花子)の最後の日々(父)
精神病棟にて―私が考えたこと&身近にいた人々との会話
私の一番長かった日(母)
花の名言・寸言集
思い出スケッチ―中学高校時代いじめられっ子だった私
アルバイト日記―仕事できないのにプライド高いからいじめられる
恋愛講座・男女物語
私にとって家族とは何か?霊魂分類表&天敵いじめっ子研究
対人の基本・対人のワナ&対人の悩み〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カワハ
4
その感性の鋭敏さや繊細さからくる苦悩や葛藤。そして独特のユーモア。"どんなに着飾っていいレストランで食事しても動物が餌食ってるのと同じなんだぜ!"山田花子は、誰もが薄々感じているけれど誰も言い出さないことを描いた漫画家なのです。2019/03/06
yurari
3
父親が花子のことを真の芸術家と言っていたが、それはどうなんだろう。膨らみ続ける自意識に飲み込まれてしまったように感じ、真の芸術家という表現はあまりしっくりこない。一方、彼女の文には時折ユーモアを感じさせるものがある。苦悶を笑いに昇華出来ていたら違う生き方があったかもしれない。・「美人で頭も良い私の親友。いつも「今の若い人ってそうなのよねェ」とか言って常識人ぶっているくせに、自分は猫を鳥籠に入れて飼ってる。」・アルバイト先にて。「まずい!青木さんが辞めたら店で変なの私1人になっちゃうじゃないのよ!」」2017/09/18
高円寺
3
『ぼくたちの「完全自殺マニュアル」』にもあったと思うけど、「完全自殺マニュアル」はこの本の著者のために書かれたのかもしれないと思った。しかしこの本の苦しみとか諦観とかは、やっぱりどうしようもない気がする。というか、「どうしようもない」というようにして関わらないのが一番いいのか2014/12/26
磯吉
3
感想を探すと「とにかく暗くて嫌になる」と言うのがあったので、そんなの暗いのか。イライラしそうだなと思ったけど、分かるところも多々あり、その年でそれに気づいたの?私もっと遅くにようやく分かったよって言う事あり。 ただ、人がどう出てもマイナスにしかとらないので 他人が笑わないと「威嚇して思い通りにさせようとする人」になり 笑顔を向けられると「馬鹿にしている」になり、 もー、あなたの気に入るようにするには、どうすりゃいいのよ状態。 母親は良かれと思って発言したことが、全部裏目にでていて、かわいそうだった。2014/06/25
クリスティーナ
3
作者が亡くなった頃と今の自分が同い年だからか、痛いほどに気持ちがよく分かる。この世は生きにくい。自ら命を絶ってしまうことがもしかしたらこの先、私にもあるかもしれない。孤独感に苛まれたり、落ち込んだ時こそ同じ気持ちを分け合いたくてこれから何度もこの本を読む時がくるだろうと思う。2013/04/05
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- 和書
- 熱帯への郷愁




