内容説明
佐原貴子は25歳。かなりの美人だ。友人のひとりは彼女に言う。あなたは男の人の目を気にし過ぎよと。違う。彼女は狙われているのだ。今日も日曜日だと言うのに彼女の留守番電話には、見知らぬ男からの不快な伝言が録音されていた…。見えない男の影におびえるOLの恐怖を描いた『すてきな休日』他、『気づかれない男』『あの日に帰りたい』『顔』『逆探知』『桜桃忌の恋人』『失われた文字を求めて』等、日常生活に潜む違和感、恐怖を鍵に奇妙な世界を描き出す傑作短篇集。計7作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
自称海外小説で誰が誰だかわからなくなる君
5
著者の田村章は今でいう重松清の別ペンネームですね。ノベライズ5本に、ただ大量の本を読んで纏めるだけの職業に就職した男とその秘密を描く『失われた文字を求めて』と太宰の命日周辺に大学内で起こる出来事を描いた『桜桃忌の恋人』の2本が重松さんのオリジナル。この2本が面白かった。2013/06/04
いもこ
0
ドラマのノベライズ「逆探知」「気づかれない男」「顔」「あの日に帰りたい」「すてきな休日」と書き下ろしの「桜桃忌の恋人」収録。書き下ろしの物が一番時代をあまり感じず、内容もまあ良かった。逆探知はホラーぽい演出が◎。あの日に~は星新一風のSF物だが妻が変わっただけで立場が完全に逆転するのに違和感を感じた。オチは好き。2011/06/09