内容説明
数か月の諸国漫遊を終え、久しぶりに本拠・水戸で英気を養おうとした水戸光圀公であったが、実子の讃岐高松藩主松平頼常が気うつの病いに参勤交代もままならず、お家お取り潰しの事態にもなりかねない一大事に、急遽旅立ちを決意した。お供は例によって佐々木助三郎、渥美格之進、風車の弥七、うっかり八兵衛、かげろうお銀に柘植の飛猿。そこに江戸の高松藩上家敷から独り飛び出した綾姫が加わって、これまた豪華な顔ぶれ。江戸から百数十里、讃岐高松までの旅路で越後の縮緬問屋のご隠居・光右衛門一行らを待ち受ける事件の数々。TBS系大河ドラマ『水戸黄門』と同時進行の快作長編時代小説。
目次
高松へ!波瀾の旅立ち―水戸
水晶守った怒り十手―甲府
情が仇のとろろ汁―駿府
偽黄門は正義の味方―島田
鰻が崇った幽霊騒動―浜松
夢を叶えた夫婦花火―吉田
その手はクワナの蛤騒動―桑名
西陣織親子騒動―京都
黄門様の商ん人修業―大坂
悪を裁いた仇討ち芝居―姫路
陰謀渦巻く高松城―高松