内容説明
第1番は“巨人”ではない/第2番を“復活”とは名づけていない/第3番のタイトルが無視される謎/第4番の最初の構想は謎が多い/第5番こそ第1番である/第6番の“悲劇的”はタイトルではない/第7番を“夜の歌”と呼ぶのは間違いだ/第8番を“千人の交響曲”と呼ばれることをマーラーは拒否した/第9番は幸福な日々の中で書かれた/第10番の未完の理由。これまでの通説を覆し、作品鑑賞を革新する、衝撃の書!
目次
マーラーの交響曲において「標題」とは何か
交響曲第一番
アルマの回想録の嘘
交響曲第二番
戦時下の日本中でマーラーが鳴り響いた日々
交響曲第三番
交響曲第四番
マーラーとバイロイト
交響曲第五番
交響曲第六番
交響曲第七番
ヴァルターもプレンペラーも弟子ではない
交響曲第八番
“大地の歌”は交響曲か?
フルトヴェングラーはマーラーが苦手だったのか
交響曲第九番
交響曲第十番
著者等紹介
前島良雄[マエジマヨシオ]
1955年、名古屋生まれ。音楽評論家・翻訳家・予備校講師。国際マーラー協会会員、日本シベリウス協会維持会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どら猫さとっち
5
マーラーは知名度が高く、コンサートではよく演奏することが多いが、かなり間違った認識することもよくある。本書ではその間違いから、マーラーの音楽世界の真実を解き明かしていく。なぜ「巨人」「悲劇的」というネーミングをするのか、「大地の歌」が交響曲とされる理由は?、第10番が未完成なのはなぜか。またマーラーの周囲の人たちや人生のエピソードにも触れている。マーラーファンのみならず、彼の世界に触れたい人には、本書はおすすめ…できるかな。2019/04/30
montetsutsu
1
交響曲第1番を「巨人」と呼ぶのがいかに間違っているかを皮切りに、マーラーの曲についての俗説を検証している。面白い。2019/01/27
Decoy
1
「神話・伝説・俗説の呪縛を解く」とタイトルにあるから、『マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来』よりも肩に力が入っているのかと思ったら、やむにやまれぬ思いから書かれた、マーラー愛にあふれる書であった。マーラーのシンフォニーの“タイトル”が誤りであることの論証は、「標題」の定義付けから始めて、レコード・リリースの歴史をしっかりさかのぼっており、説得力に富んでいる。2015/03/23
あやてい
1
前著『マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来』の続編かと思っていたら、まったく独立した著作。各交響曲の成り立ちと構成、その他のエピソードから成っている。作品の内容解析とか音楽史的な記述はほとんどない。独立作品という性格のためか、前著との記述の重複がかなり多い。その点がかなりがっかり。2014/12/19
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