出版社内容情報
《あなたの人権》が守られなければ、《わたしの人権》も守れない!??「靖国訴訟」「水俣病関西訴訟」「在日参政権訴訟」、そして最近ではあの「森友事件」の担当弁護士が、私たち一人ひとりの生命までも左右する、知っているようで知らない法律の基礎から実情、問題点、そして意義、真髄、あるべき姿までを具体的に説き明かす。法律関係のテキストとしてはもちろん、日常のニュースの解説書や生活上のトラブル処理にも役立ち、読み物としてもおもしろくて役に立つ座右の名著。
はじめに
第一章 人権とは
一、はじめに
二、人権とは何か
三、人権の具体的な内容
四、立憲主義
(注1)主権者国民の制定した憲法
(注2)立憲主義という概念
第二章 裁判とは
一、裁判とは何か
二、民事裁判と刑事裁判
1 民事裁判と刑事裁判の違い (注)証明責任
2 両方提起 (注)民事裁判と刑事裁判
3 裁判の担い手と関連用語
(注1)法曹人口の増大 (注2)裁判と市民関与
(注3)弁護士会と政治活動
4 三審制
【コラム】人・員・官
三、人権と裁判との関わり
1 人権侵害の被害回復手段
2 裁判を受ける権利自体が人権
(注)人権侵害救済法・人権擁護法案
第三章 刑事司法における人権
一、刑事司法における人権を説く意義
1 刑事司法に比重を置く三つの理由
(注)法廷傍聴
2 刑事手続きの流れ
3 日本の刑事手続きの特徴
(注1)有罪率九九・九パーセント
(注2)「絶望的」 (注3)司法改革
二、冤罪を生まないために
1 冤罪に関する二つの質問
(注)法廷供述と自白調書
2 冤罪の五大原因 (注)九七年寺西発言
3 冤罪の防止策
4 冤罪の強調は被害者への冒?か
【コラム】貝塚事件
三、捜査(任意捜査の限界)
1 捜査とは
2 捜査機関
3 捜査の原則
4 捜査の実態と弁護活動
5 任意処分と強制処分の境界(任意捜査の限界)
四、逮捕の濫用
1 逮捕とは
(注)身体拘束??言葉を正しく使おう
2 逮捕の実際の目的
(注1)パソコン遠隔操作事件
(注2)国策捜査 (注3)山之内弁護士事件
(注4)安田弁護士事件
(注5)三井環元高検公安部長事件
(注6)森友事件
3 その後も続く濫用の実体
(注)逮捕の濫用以上の問題
五、勾留と代用監獄
1 勾留とは
2 勾留の要件 (注)起訴前と起訴後の勾留
3 勾留場所??「代用監獄」の問題点
4 勾留に対しての防禦
六、取調べと弁護権侵害の実情
1 被疑者の権利
2 権利行使の際の重要点
3 取調べ受忍義務と弁護人立会権
4 被疑者の権利の実情
(注1)接見妨害国賠訴訟
(注2)信書検閲国賠訴訟〈高見・岡本国賠訴訟〉
(注3)ビデオ持ち込み妨害国賠訴訟〈後藤国賠訴訟〉 (注4)被疑者段階での公的弁護制度
(注5)警察官の暴行についての下村弁護士の発表
5 取り得る対策
6 可視化の必要性と一部実現
(注)広範囲な二〇一六年の法改正
七、公判の実際(人質司法と調書裁判)
1 はじめに
(注1)保証金の高額化
(注2)身体拘束からの解放
(注3)「逃亡」のない社会
2 公判の実際 (注)弁護士の報酬
3 争う裁判と情状弁護
八、公判前整理手続きについて
1 新たに導入された「公判前整理手続き」
2 三段階の証拠開示
九、裁判員裁判について
1 刑事裁判は二種類併存
2 批判精神を持って
(注)戦前の一時期あった「陪審制」
3 刑事裁判を変える可能性
4 裁判員制度の内容 (注)裁判員裁判の実施率
5 裁判員制度の問題点
6 裁判員裁判と控訴審
7 裁判員の心構え
一〇、伝聞法則
1 厳格な証拠提出手続き
(注)「証拠能力」と「証明力」
2 証拠能力がない伝聞証拠 (注)自由心証主義
3 目撃証言の持つ危険性
一一、自白法則
1 二つの自白法則 (注)「証拠の女王」
2 「虚偽の自白」
3 共犯者の自白
一二、違法収集証拠排除の法則
1 すばらしい発想
2 理念どおり実践されていない現実
3 証拠の違法収集と情状(和解的解決)
一三、上訴・再審
1 判決
2 控訴審
(注1)弁護人固有の上訴権を
(注2)検察官控訴の廃止を
3 上告審
(注1)最高裁で逆転無罪 (注2)擬似三審制
4 再審
一四、受刑者の人権・死刑制度
1 刑罰制度について
2 受刑者超過状態の刑務所
3 受刑者の人権保障の問題点
(注1)全裸検査 (注2)名古屋刑務所事件
大川一夫[オオカワカズオ]
著・文・その他
内容説明
「靖国訴訟」「水俣病関西訴訟」「在日参政権訴訟」の担当弁護士が、わたしたち一人ひとりの生命までも左右する、知ってるようで知らない法律の基礎から実情、意義、真髄、あるべき姿までを具体的に説き明かす。
目次
第1章 人権とは
第2章 裁判とは
第3章 刑事司法における人権
第4章 少年・高齢者・障害者
第5章 外国人の人権
第6章 労働を巡る問題
第7章 行政を巡る問題
第8章 良心の自由・表現の自由
第9章 公権力から管理されない自由
第10章 平和に生存する権利
著者等紹介
大川一夫[オオカワカズオ]
弁護士(大阪弁護士会所属・元大阪弁護士会副会長)、龍谷大学法学部非常勤講師。1953年、京都市生まれ。京都大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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