内容説明
合成洗剤と石けんを比較すればどちらが環境に負荷が大きいか、またどちらが毒性が高いかといった問いに対しては、「合成洗剤の方が悪く、石けんの方がやさしい」というイメージに沿った応答をする人々が多数派を占めることだろう。しかし、もしもこのイメージが根拠のないでたらめ情報によって導かれていたとしたならばどうだろうか。多少は、石けんと合成洗剤の人体への毒性、環境影響、洗浄性等の情報を収集・整理している立場からいえば、合成洗剤の方が悪く石けんの方が良いとする根拠は、その大部分が間違った情報に基づいていると判断できる。本書は、そのことについて解説していく。
目次
第1章 洗剤論争についての背景(予備知識)
第2章 合成洗剤追放運動を批判する
第3章 インターネットでこんなことが話題になって…
第4章 合成洗剤有害論の珍説を斬る
第5章 消費者情報の問題点を告発する
第6章 合成洗剤追放運動の今後を考える
資料 洗剤関連書籍情報を分析してみれば…
著者等紹介
大矢勝[オオヤマサル]
昭和32年神戸市生まれ。昭和57年大阪市立大学生活科学部卒業。昭和59年大阪市立大学大学院生活科学研究科修了。賢明女子学院短期大学専任講師を経て、平成2年から横浜国立大学教育学部助教授。専門は環境情報学、洗浄技術・試験法。著書に「合成洗剤と環境問題」(大学教育出版)、「私たちの生活科学」共著(理工学社)、「環境教育重要用語300の基礎知識」共著(明治図書)
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