内容説明
補完性をキー概念に、企業組織とそれをとりまく制度をシステムとして考察する経済学と経営学における独創的ブレークスルー。米国のMBA、比較制度分析、企業理論の標準的教科書となった本書は豊富な事例とともに日本の制度改革にも貴重な示唆を与える。
目次
第1部 経済組織
第2部 コーディネーション―市場と組織
第3部 モティベーション―契約、情報とインセンティブ
第4部 効率的なインセンティブの提供―契約と所有
第5部 雇用―契約、報酬、キャリア
第6部 資金調達―投資、資本構成、コーポレート・コントロール
第7部 組織のデザインとダイナミックス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HoneyBear
3
アングロサクソン流の企業の見方が一冊につまっている。経営戦略論、ガバナンス、コーポレート・ファイナンス、産業組織論などが、情報の不完全性とプリンシパル・エージェント理論/契約理論などミクロ経済学の概念を用いて憎いまでに体系化されている。事例とチャートで説明するスタイルで大部ながら読みやすい。事例は随分古いが内容は古臭くない。米国の大学でビジネスを学ぶ学部学生の多くがこの手の本でキャピタリズムの「理論武装」を身に付けるようだ。日本的経営の良さを情緒的に主張しても通じないわけだ。
葉
3
とりあえず660ページに圧倒する。最初は企業の実例をもとに経営がどう動いていったかを説明し、コースの定理、インフルエンスコスト、レントの説明がある。その後に、組織や企業と株主などの契約理論で馴染みのある問題を取り上げている。数式も難しいものはそれほどなく、非常に読み易い。しかし、問題の模範解答的なものがないのが悲しい。自分で考えてほしいということだと思うが。2013/01/18
ponte
1
以下備忘録。 ・組織のインセンティブが一つの重要な要因になっている。 ・経済的平等を優先するイデオロギーが常にインセンティブを阻害した。 ・インセンティブと権限の委譲は補完的である。 ・現実の人間は、限定的にしか合理的ではない。 ・評判とは、一度分かれてしまえば、将来再開する機会はまずない。評判と別れる人は、永遠に別れを予期せねばならぬ。なぜならうちなわれた評判は、碑度と戻らない。 ・ピーターの法則:人は無能がちょうど露呈する水準まで昇進する。2018/12/16
mass
1
断念した2016/06/21
川原 健太郎
0
14-48/22014/09/22