内容説明
鉄鋼、自動車、半導体…世界を席捲する日本の産業の中にあって、なぜ化学産業だけが出遅れたのか。3つの不思議さを解明。
目次
総論 遅れてきた男たち―日本の化学産業
1章 日本の化学産業の概要
2章 乏しい蓄積からの出発
3章 70年代のつまずき
4章 小さすぎる企業、細かすぎる分業
5章 ヒト・組織と技術蓄積のむずかしさ
6章 企業戦略にみる問題点
7章 西ドイツ、アメリカはなぜ強いのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Seiichi Takayama
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日本の産業シリーズ、第4弾のもの。1991年刊行とのことで、25年前の書籍となる。同シリーズの「なぜ情報化は遅れたのか」は一応自分の専門分野なのでよく頭に入ってきたが、化学分野は全くの素人なので、かなり難しかった。鉄鋼や自動車の産業と違って化学産業特有の構造的な問題があるという事だが、政府やトップ企業による「コントロール」と「コーディネート」の役割の話は印象的。まとめ役がいないと資源が分散してしまい競争力が落ちてしまうというのは、スポーツでもビジネスでも同じという事か。●論文のテーマ決めのためにも広く浅く2015/05/06
Takanori Akimoto
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電気業界から化学業界に移ってきて、カルチャーの違いが気になっていたので図書館で借りて呼んだ。 化学業界は電気・電子部品とは異なり、技術蓄積が研究寄り、技術トレンドに転換やジャンプあり(積上が無駄になることがある)という背景があるため日本の得意な方法(現場で経験を積み重ね技術レベルを上げていく)があまり有利に働かないこと、その割に研究者の人材供給が海外よりも少ないとか、会社の規模が小さくで研究開発投資に割く金額が少ない、という状況だったという歴史的背景を理解し納得。企業風土も、研究>現場で、こちらも納得。2021/08/19
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