内容説明
生物はディスプレイによって的確な意思を伝えている。ディスプレイは類の認知と関係の情報系である。DNAの情報コピーと盗作にはじまり、生物の行動心理を形づくり、人間段階にいたって、意味化をひきおこす。そこに言語、ファッションから多様な劇的空間、文学空間におよぶシミュレーション世界が生成される。ディスプレイは未知のセマンティク情報の源流を垣間見させてくれる。
目次
第1章 生命の擬態戦略(遺伝子の盗作;モンシロチョウの婚姻戦略;人間言語の起源に関する試論―行動生態学的アプローチ)
第2章 ディスプレイの人間学(人間の系統発生的適応;カブキのエソロジー;補陀落浄士絵論)
第3章 モードとファッション(身体の風景;エフェメラの誘惑;ショーウインドウの民俗学)
第4章 文化と擬態(擬態の誘惑―谷崎潤一郎;複製時代の三島由紀夫;異文化コミュニケーション;総括講義・情報システムとしてのディスプレイ)
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