出版社内容情報
2011年3月6日、アサド政権打倒を呼びかけた落書きを理由に少年15人が秘密警察に逮捕され、拷問を受けた。同15日、首都ダマスカス旧市街で、抗議のデモが起こる。
以降、抗議デモはシリア全土に飛び火した。当初、アサド政権と反体制派の戦いであったところに、ISILをはじめとするジハーディストが登場し、米国を含む有志国連合が「対テロ戦争」としてそれに向き合うことになる。さらにはサウジアラビアとイランの代理戦争、トルコとクルドの対立なども、シリア内戦に組み込まれることになった。
国際社会はこの紛争を止めることができず、やがてはロシアも参戦し反体制派は離合集散を繰り返す。シリアの国民は、毎日のように殺害され、難民として周辺諸国に逃れている。
なぜ、シリアという国はこのような状態になってしまったのか。ISILの勢力が削がれ、反体制派はイドリブ県に追い詰められてはいるものの、仮にアサド政権が勝利したとして、大多数の難民は帰国することができないだろうし、クルド勢力は東部を実効支配している。
この先シリアはどうなるのか。本当の意味で、シリアが元の統一国家に戻る道筋は、全く見えてこない。本書では、この複雑な構図を時系列で解きほぐし、レポートしていく。
第2次大戦後最悪の人道危機がなぜ、どのように起きているのかを理解するための1冊。
第1章 幕開け
第2章 トルコ、サウジアラビア、カタール、米国─アサド政権打倒をめざす国々
第3章 ヒズボッラーとイラン、ロシア─アサド政権を支える外部勢力
第4章 軽量級の調停者、重量級の脇役─国際連合とイスラエル
第5章 民衆蜂起から宗派紛争へ
第6章 転機
第7章 反体制派再編・シリア国民連合の誕生
第8章 ISIL登場
第9章 ヒズボッラーの本格参戦
第10章 化学兵器問題
第11章 イスラム戦線結成
第12章 カリフ国の出現─
第13章 第2戦争開始
第14章 「征服軍」、イドリブ征服
第15章 ロシア参戦
第16章 パリ同時多発テロ事件と対ISIL大連合形成の動き
第17章 行き詰まる和平協議
第18章 停戦発効と崩壊
安武 塔馬[ヤスタケ トウマ]
著・文・その他
内容説明
今世紀最悪の人道危機はなぜ発生し、なぜ止まらないのか。アサド政権、反体制派、ジハーディスト、中東諸国、欧米、ロシア、国内外で複雑に入りくむプレイヤー。長期化する紛争の流れを、時系列で追う。
目次
幕開け
トルコ、サウジアラビア、カタール、米国―アサド政権打倒をめざす国々
ヒズボッラーとイラン、ロシア―アサド政権を支える外部勢力
軽量級の調停者、重量級の脇役―国際連合とイスラエル
民衆蜂起から宗派紛争へ
転機
反体制派再編・シリア国民連合の誕生
ISIL登場
ヒズボッラーの本格参戦
化学兵器問題〔ほか〕
著者等紹介
安武塔馬[ヤスタケトウマ]
ベイルート・アメリカ大学大学院(中東アラブ研究)卒業。1990年からパレスチナ、イスラエル、レバノン、UAEなど中東在住歴は20年を越える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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