内容説明
昭和56年、公取の静岡建設組合摘発に端を発した建設業界の談合、汚職構造に対する社会的関心は、その後の独禁法改正、中建審の体質改善への取り組み等により平静さを取り戻したかのように見える。だが実際は談合組織による受注者絞り込み調整は行われ、指名獲得・落札価格入手等の為の黒いうわさは後をたたない。一方、大手ゼネコンは、脱公共事業、脱土建屋を指向、生き残りをかけて企業戦略を再構築する動きを見せている。しかしそれも、基盤としての土建業、既得権としての公共事業割り当てを大前提としたものであり、その限りにおいては、談合・汚職構造を持つ旧体質に何ら変化は見られない。建設業界の今をえぐる。
目次
1章 「いじめ談合」に泣く新参業者
2章 崩壊する組合主導型談合秩序
3章 後をたたない“指名獲得”をめぐる黒い噂
4章 激発!大手建設会社の裏取引と汚職事件
5章 建設会館にみる談合の構図と権力抗争
6章業界ニューリーダーたちの経歴と実力採点
7章 海外で鹿島が熊谷組に敗れた理由
8章 米国企業、韓国現代グループの参入に太刀打できるか