内容説明
教育が知識を得ることだけに走っていることは、一般にも言われています。しかし、知識だけではない教育方法とはどういったものなのでしょうか。それらは、まさしく、阿部さんの伝える体験をとおして子どもの身に持たせるやり方であると思います。「五感」や「感情」を働かせ、生きる喜びを感じさせながら知識を授ける教育方法を、私たちは過去に持っていたのです。本来の子育ての方法を知っている人は、他の誰でもない「わたしたち」なのではないでしょうか。この本を手にとられた方々に、眠っていた幼い日の記憶を呼び起こし、どうか、次の世代に伝えていって下さるよう、心から願ってやみません。幼いころに出会うべきものは、「人」と「自然」です。そして一生をとおして出会うべきものも「人」と「自然」です。そのことを遠野のわらべ唄が教えてくれています。
目次
第1章 赤ちゃんと自然との出会い
第2章 呼びかけの唄
第3章 子どもと花や実
第4章 子どものおまじない
第5章 子どもと年中行事
第6章 心を育て心を伝える
著者等紹介
阿部ヤヱ[アベヤエ]
昭和9年(1934年)遠野市松崎町光興寺に生まれる。現住所も同じ。小さいころから、多くのわらべ唄や伝承遊びで育つ。わらべ唄には人間としての生き方、生活の智恵が伝えられていることを知り、自分の体験を振り返り、伝承を確認するために力を注ぐ。次代に伝えることを願って、その伝承に努めている。遠野市立博物館研究員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。