内容説明
安心な老後を送りたい…。誰もがそう願っています。しかし、その実現が困難になっています。なぜなのか、どうしたらいいのか…。皆さん一緒に考えてみませんか。介護保障・高齢者福祉の改革視点。
目次
第1章 社会福祉の原点と「地域密着」の意義(高齢者福祉の歩みから「社会福祉の原点」を考える;「社会福祉」制度の流れから ほか)
第2章 戦後の社会福祉とこれからを考える(今の「あたりまえ」は、昔も「あたりまえ」だった;過疎地における高齢者福祉のこれから ほか)
第3章 必要に応じて必要なサービスを提供―介護限度額のない村の医療と福祉(長野県泰阜村―人口1800人の山村僻地;泰阜村の人口、高齢者人口の推移 ほか)
第4章 神在月の出雲にて槻谷和夫さんを囲んで(『私たちが考える老人ホーム』を読んでの思い;グループホームを実践して思うこと ほか)
著者等紹介
槻谷和夫[ツキタニカズオ]
1952年島根県生まれ。日本福祉大学社会福祉学部卒。特別養護老人ホーム勤務後、社会福祉法人ことぶき福祉会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
28
安心した高齢期を送ることは、誰もが持つ権利です。しかし、介護保険施行後の措置から契約へと社会福祉が変化するなかで、必要な福祉を受けることができず、「利用者本位」という名の美辞麗句のもとで経営やコストが強調され「稼働率」という人間の尊厳そのものを否定する用語が平然と使われています。これが市場化を持ち込んだ社会福祉の現実だと思いました。そのなかでも、どうすれば尊厳の守れる実践ができるのか、そのための公的責任のあり方はいかようにあるべきなのかも考えることができました。社会福祉の原点を学べたように思います。2017/08/21