内容説明
不況を口実にした非正規労働者の増大、そして大震災…生活保護制度が、今、根本的に変質されようとしている。その問題点を整理し、制度のあり方を提言。「自立支援はどうしたらいいの?」「財政が破たんするってほんと?」「海外ではどうなっているの?」「震災時のあるべき生活保護とは?」などの分かりやすいQ&A、そして豊富な資料編。
目次
まえがきに代えて 真の生活保護改革はどうあるべきか
第1部 生活保護「改革」ここが焦点だ!(利用者抜きに生活保護「改革」を進めないで;自立の強制とナショナルミニマムの切り下げ;「第2のセーフティネット」と社会保障改革;東日本大震災と生活保護)
第2部 生活保護のそこが知りたいQ&A
資料編
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すのう@中四国読メの会コミュ参加中
4
厳しくなければだらけてしまい、厳しすぎると追いつめてしまう。制度を厳密にしすぎると多様な問題に対応できず、裁量に委ねすぎると秩序が崩壊してしまう。外国とは人間も、土地も、何もかも違う。だから、素晴らしいと思われる秩序を取り入れても、上手くいくとは限らない。そこにいるのは人間だからであり、それによって動き、そこが中心だからである。間違っていることも多い制度。だが、みんなに受け入れられなければ、形だけの制度となってしまう。そこをふまえて、日本自体と制度とを比較しながら作り上げなければならないと感じた。2013/05/12
ぞう
0
立場が変わると納得できる理論ではある。国や行政・組織がやることは往々にして個別性を重視しない。だから小久保哲郎も組織の問題に転嫁し、弱いものを弁護できる(弁護士だから当たり前か)。しかし生活保護を運用している末端のCWとっては、組織が悪いのだと言われると、「結構利用者はふてぶてしいし、考え方がおかしい人もいるよ。」と言いたくなってしまう。私は、生活保護を締め付け路という意見には反対。それより社会保障全体の見直しを考えて欲しいと考えている。年金・医療・雇用に公平性が保たれるようにして欲しい。 2011/09/16