内容説明
本書は、戦艦大和研究の定本ともいうべき松本喜太郎著『戦艦大和・武蔵設計と建造』(昭和36年〔1961〕年、芳賀書店刊)に、松本氏の論文中重要な4編と松本ノート(抄録)をはじめ、新たに発見された大和の最大中央横断図および航空母艦信濃関係の図面、その他の資料を加えたものである。
目次
第1部 戦艦大和設計と建造(戦艦大和艦型の決定;一般配置上の特徴;防御計画について;船舶としての主要性能;艤装一般 ほか)
第2部 主要論文(造艦技術上の諸問題;艦艇設計失敗の跡を顧みて;旧海軍時代の技術生活を顧みて)
第3部 松本ノート
著者等紹介
松本喜太郎[マツモトキタロウ]
明治36年5月8日、三重県伊勢市大湊町に生まれる。昭和3年3月東京大学工学部船舶工学科卒業。同年5月、海軍造船中尉に任ぜられる。昭和4年3月より9年3月まで横須賀海軍工厰造船部に勤務し、巡洋戦艦金剛の第1次改装工事、航空母艦龍驤の新造工事等に従事する。昭和9年3月より20年4月まで、海軍艦政本部において、艦艇の設計に従事する。関係した主な仕事は、水雷艇友鶴転覆ならびに特型駆逐鑑船体切断問題に関する技術調査。工作鑑明石、大型駆逐鑑秋月、航空母艦伊吹等の設計。大和型戦艦の設計補佐。この間、海軍技術研究所造船研究部、音響研究部、電波研究部等の部員を兼務する。昭和12年4月より14年3月までの間および17年2月より20年4月までの期間、東京大学工学部講師、あるいは助教授を兼務し、軍艦に関する講義もしくは卒業設計の指導を行なう。昭和14年4月より16年8月までの期間、米国に出張。昭和20年4月以降、呉海軍工厰造船部設計主任となり、太平洋戦争の終戦を迎える。終戦当時は海軍技術大佐。昭和23年6月、大和産業株式会社設立。昭和27年、再建社から『戦艦大和』刊行。昭和34年5月、大和電機工業株式会社設立。昭和36年、芳賀書店から『戦艦大和』を『戦艦大和設計と建造』として改訂版刊行。この間、大阪大学工学部講師、川崎重工業株式会社技術顧問等をつとめる。昭和58年5月2日、永眠。享年79歳
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