出版社内容情報
《内容》 長年にわたる多数の臨床経験と医学や医療の教育を経験した立場から,ただ単に人体の臓器に関する名称や機能にとどまることなく,それらを基本にして実地臨床面においてすぐに役立つように各臓器の疾患をも系統的に列記してそれぞれの病因,診断と検査法,さらには治療法に至るまでの,まさに「かゆい」ところに手が届くほどに充実した内容になっている。大きく15章(人体組織の構造とその機能/骨格系/筋肉系/循環器系/呼吸器系/消化器系/泌尿器系/生殖器系/内分泌系/神経系/感覚器系/造血器と血液の機能/水・電解質の役割/皮膚と体温との関連/栄養と代謝)に分類して人体の解剖と各臓器の健常な機能と病態について述べ,各領域においては代表的な疾患を列挙してその病因を含め治療法に至るまでの一連の過程について非常にわかり易い内容で論述した。また,図表を多数取り入れて,内容を理解し易くしているほか,専門的な医学用語には英語やラテン語を併記し,医学洋書にも親しく接することができるように配慮した。したがって,これから医学を学ぼうとする医学生,看護学生をはじめ,臨床検査技師や臨床工学技士,さらには研修医,看護師,保健師,助産師などの医療従事者に対して,必ずや必携の書物になるものと大いに期待しているところである。解剖学,生理学をはじめ,人体の多くの疾患などに関して基礎医学と臨床医学との関連性が見事にわかり易く書かれており,この一冊ですべての内容が納得のいくまで理解できるところに大きな特色があるものと考えている。
《目次》
第1章 人体組織の構造とその機能
1.上皮組織/上皮組織の形態による分類/上皮組織の機能別による分類/腺について/
2.結合組織と支持組織/結合組織の構造/結合組織の種類/
3.脂肪組織/黄色脂肪組織/褐色脂肪組織/
4.骨組織/骨膜/骨細胞/骨芽細胞/破骨細胞/骨基質/軟骨組織/
5.筋組織/平滑筋/横紋筋/
6.神経組織/神経細胞/神経膠細胞/
第2章 骨格系
1.骨の形状と構造
2.関節の構成/球関節/楕円関節/蝶番関節/車軸関節/鞍状関節/
3.骨格系の名称/頭頸骨/脊柱/胸郭/上肢骨/下肢骨/骨盤/
4.骨の微細構造と組成
5.骨の成長と化骨
6.骨の機能
7.骨の疾患/骨折とその治療対策/脊柱の骨折/脊椎管狭窄症/椎間板ヘルニア/骨の悪性腫瘍とその治療対策/
第3章 筋肉系
1.筋肉の形状と構造/筋肉の形状/筋肉の構造/
2.骨格筋の名称/頭部,並びに顔面の筋肉/頸部の筋肉/胸郭の筋肉/腹部の筋肉/上肢の筋肉/下肢の筋肉/心筋/
3.骨格筋の構造と機能/骨格筋の構造/骨格筋収縮の仕組み/骨格筋収縮のエネルギー/骨格筋の血管支配/骨格筋の神経支配/
第4章 循環器系
1.循環器系の構造/心臓とその構造/体循環/肺循環/
2.心臓/心臓の機能/心臓の刺激伝導系/心臓の収縮の仕組み/心電図と心音図/不整脈とその治療対策/冠動脈と冠静脈の構造とその生理機能/先天性心疾患/虚血性心疾患/心臓弁膜症(Cardiac valve disease)/ショックとその治療対策/
3.血管系/動脈の構造と機能/動脈系の名称と分布/
4.静脈の構造と生理機能/静脈の構造/静脈の生理機能
5.静脈系の名称と分布/上大静脈/内頸静脈/鎖骨下静脈/下大静脈/総腸骨静脈/門脈/大腿静脈/
6.リンパ管の構造と生理機能/リンパ管の構造/リンパ節の構造/リンパ管の生理機能/
7.動脈硬化症/大動脈瘤とその治療方針/閉塞性末梢動脈病変と治療法/
8.静脈疾患/下肢の静脈瘤とその治療方針/血栓性静脈炎とその治療対策/深部静脈血栓症とその治療/リンパ管の疾患/肺動脈血栓塞栓症/上大静脈症候群/門脈圧亢進症/
第5章 呼吸器系
1.呼吸器系の解剖/鼻腔/副鼻腔/咽頭/喉頭/気管と気管支/肺/胸膜/横隔膜/
2.呼吸器系の機能/呼吸運動/肺容量/肺内でのガス交換/
3.呼吸器系の疾患/自然気胸/肺化膿症/気管支拡張症/肺の良性腫瘍/肺癌/縦隔腫瘍/
第6章 消化器系
1.消化器系の構造/口腔/口蓋と咽頭/消化管/肝臓/胆嚢と胆道/膵臓/脾臓
第7章 泌尿器系
1.腎臓/位置と構造/腎臓の血管と神経/腎臓の機能/尿管/膀胱/尿道/
2.泌尿器系の疾患/腎炎/ネフローゼ症候群/腎不全とその治療/腎癌とその治療/尿路結石症とその治療/前立腺肥大症と前立腺癌/膀胱炎と膀胱癌/
第8章 生殖器系
1.男性生殖器の構造と機能/精巣(睾丸)/精巣上体(副睾丸)/精管/精嚢/尿道球腺/精液/陰茎と陰嚢/勃起と射精のメカニズム/生殖器の疾患/
2.女性生殖器の構造と機能/卵巣/卵管/子宮/膣/外生殖器/染色体と遺伝子/女性生殖器の疾患/
第9章 内分泌系
1.内分泌系の構造と機能/下垂体/松果体/甲状腺/副甲状腺/副腎/膵島/
2.内分泌系の疾患/下垂体機能低下症/甲状腺機能亢進症/甲状腺癌/副甲状腺機能亢進症/クッシング症候群/原発性アルドステロン症/アジソン病/副腎性器症候群/褐色細胞腫/
第10章 神経系
1.神経系の構造と機能/脳と脊髄との構造/脳脊髄液/脊髄の構造とその機能/髄膜/延髄/橋/中脳/脳の血流分布/神経の興奮と伝導路/
2.中枢神経の構造と機能/大脳/脳幹/間脳/網様体/脳室/脳波/小脳/
3.脳神経と脊髄神経の構造と機能/脳神経/脊髄神経/
4.自律神経系/交感神経/副交感神経/
5.中枢神経系の血管/脳の血管/脊髄の血管/
6.神経系の疾患/脳出血/クモ膜下出血/脳梗塞/脳腫瘍/パーキンソン病/
第11章 感覚器系
1.感覚器/感覚の種類と特徴/
2.視覚器の構造と機能/網膜/血管膜/外膜/網膜における細胞と興奮の伝達経路/眼底/水晶体/硝子体/眼房/眼瞼/結膜/涙腺と涙小管/眼筋/視覚器の疾患/
3.聴覚器並びに平衡器の構造と機能/外耳/中耳/内耳/聴覚器・平衡器の疾患
4.味覚器の構造と機能
5.嗅覚器の構造と機能/体性感覚/内臓感覚/
第12章 血液の組織とその機能
1.血液の組成
2.血液の役割/運搬の役割/体液量の調節/酸・塩基平衡の調整/感染に対する防御作用/
3.赤血球の機能/赤血球の産出と崩壊/赤血球の構造と機能/赤血球指数/溶血/
4.白血球の機能
5.血小板
6.血液型
第13章 水・電解質の役割
1.人体における水分の分布
2.体内水分の組成とその分布バランス
3.水分摂取,排泄とその出納
4.酸,塩基平衡
第14章 皮膚と体温との関連
1.皮膚の構造/表皮/真皮/皮下組織/皮膚の感覚器/皮膚の色/
2.皮膚の機能/保護作用/体温の調整/感覚作用/ビタミンDの産生/
3.皮膚の分泌腺/汗腺/
4.皮膚の角質器/毛/爪/
5.皮膚の病変と疾患/汗疹(あせも)/腋臭症(わきが)/座瘡(にきび)/色素沈着の異常/接触性皮膚炎/アトピー性皮膚炎/じんま疹/悪性黒色腫/皮膚癌/熱傷/褥蒼/
6.体温の調節/体温/発熱と解熱/不感蒸泄/発汗/熱中症/
第15章 栄養と代謝
1.栄養素/蛋白質/糖質/脂質/生体内におけるエネルギーの産生/ビタミン
内容説明
長年にわたる多数の臨床経験と医学や医療の教育を経験した立場から、ただ単に人体の臓器に関する名称や機能にとどまることなく、それらを基本にして実地臨床面においてすぐに役立つように各臓器の疾患をも系統的に列記してそれぞれの病因、診断と検査法、さらには治療法に至るまでの、まさに「かゆい」ところに手が届くほどに充実した内容の一冊。
目次
人体組織の構造とその機能
骨格系
筋肉系
循環器系
呼吸器系
消化器系
泌尿器系
生殖器系
内分泌系
神経系
感覚器系
血液の組織とその機能
水・電解質の役割
皮膚と体温との関連
栄養と代謝
著者等紹介
岡田昌義[オカダマサヨシ]
昭和36年神戸医科大学卒業。昭和41年同大学院博士課程修了、医学博士授与。ドイツのハイデルベルク大学に国費留学。神戸大学講師、助教授、教授などを定年まで歴任。現在、兵庫大学教授(健康科学部)、所長(同・健康管理センター)、大阪医科大学客員教授、新日鉄広畑病院顧問、神鋼加古川病院顧問、ドイツ外科学会名誉会員、ドイツ血管外科学会名誉会員、ハーバード大学客員教授、ハイデルベルク大学客員教授、中山医科大学客員教授、ベルリン自由大学客員教授、ドレスデン大学客員教授、日本血管内治療学会理事長。その他、国内外の学会に所属して、多くの役員を歴任し、現在に至っている。とくに、以下の日本成人病学会、日本静脈学会、日本外科系連合学会、日本レーザー医学会、日本腹部救急医学会、日本血管内治療学会、日本医工学治療学会、日本冠動脈外科学会、日本循環器病シニア学会、日独血管外科学会などを含む国内外の22にも及ぶ学会長を歴任し、各々名誉会員や理事として活躍している。専門分野は心臓血管外科・胸部外科・レーザーと医学・補助循環法など。著書、論文、国内外での学会発表、受賞、研究助成など多数
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