人工呼吸器ハンドブック〈1997‐2001〉

人工呼吸器ハンドブック〈1997‐2001〉

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  • サイズ A4判/ページ数 377p/高さ 30cm
  • 商品コード 9784871513012
  • NDC分類 492.28
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 本書を企画した理由は三つある。 その第一は,正確な人工呼吸器情報の公開である。陽圧式人工呼吸器が評価を得て,既に40数年が経過した。この間,死期を演出する道具」という過去のイメージは払拭され,新しい人工呼吸モードを搭載した機種が次々と市場に送り込まれた。しかし,臨床医が使用中の人工呼吸器を十分に理解しているかと言えば決してそうではない。その原因は,人工呼吸器の構造や作動がマイクロプロセッサーの導入と供に複雑になり販売技術者でさえ完全には理解できていない事,販売会社が不都合な情報の提供を渋る事,人工呼吸器の開発者が構造や制御ソフトの一部を公開していない事,など様々な要因が含まれている。この様な現状を少しでも打解したい。 第二は,僭越な言い方であるが,ジャンクフード型文化」に対する挑戦である。マクドナルドのハンバーガーが,その典型である。従業員はほとんど素人のバイト職員による分業でありながら,ハンバーガーの品質と味は一定以上の水準を維持している。その仕掛は,調理過程を徹底してマニュアル化したことにあると思われる。大変に合理的で経済効率も高い経営方法と感心させられる。しかし,従業員がいくら仕事に熟練して,調理の技術を磨いても,ハンバーガー以上の物は作れない事実は,指摘されるべきである。懐石料理をものにするには,決して分業やマニュアル作業では成し得ない。幅広い知識と技術に支えられた職人芸が必要である。少なくとも,集中治療における呼吸管理を行なう医師は,ジャンクフード型ではなく懐石料理型文化を身に付けていたのである。 第三は,Car GraphicやCar and Driverの様な本が人工呼吸器にも存在すべきであるとの考えである。これら自動車雑誌にはユーザーの率直で自由な評価や意見,欠点の指摘が行なわれ,開発する側にも少なからず影響を与えていると思う。また理想の自動車像に対する議論の場でもある。種々のメーカーから多機種が販売されている現状では,各々の製品についての情報が,メーカー側からしか入手できない事態も起こっている。ユーザーの臨床評価が公表されるべき時期にきているのではなかろうか。 本書は,これら三つの考えに基づいて編集執筆したが,著者の意が存分に発揮できたとは言えない。それは,人工呼吸器の使用経験だけでは,やはり無責任であり評価を抑えざるを得なかったためである。しかし,人工呼吸器について自由に評価し,率直な議論をする先鞭としての役割が果たせれば著者としては幸いである。    《目次》 目次 Ⅰ. 総  論 A.人工呼吸器の概略 1. 概  念 2. 目  的 3. 構成要素 4. 機  能 B.人工呼吸モードの分類 1. 駆動部位による分類 2. 強制換気の入れ方による分類 3. 気道内換気の制御形態による分類 C.トリガー機構の構成 1. 概念と目的 2. 構成要因 3. 制御方式(制御機構と作動理論) 4. 装飾要素 Ⅱ. 人工呼吸モードの概念と基本設計A.人工呼吸モードの概念と基本設計 1. sCMV(Volume Control) 2. PSV 3. PCV,A/C(Pressure Control) 4. SIMV 5. EMMV 6. AMV 7. MMV(Minimum Minute Veutilation) 8. VS,PRVC 9. BIPAP 10. APRV 11. PAV 12. Pressure Augumentation,VAPS 13. Auto Flow,PRVC 14. ASV Ⅲ. 各種人工呼吸器の性能比較 1. 構  造 2. 制御機構 3. 可能なモード 4. SIMVの機構 5. 換気バックアップ機能 6. Volume ventilation 7. Pressure ventilation 8. PSVの機構 Ⅳ. 人工呼吸器 A.成人用人工呼吸器 1. AcomaART-2000 ART-1000 2. AikaMR-2000 CLV-70 3. BearBEAR-5 BEAR-1000 4. Bennett840・740・7200ae 5. Bird8400STi・6400ST・T-Bird・AVSⅢ・BAVSⅡ・BAVS・BVSO・BVS 6. DragerEvita4(EVT-4000)・Evita2 Dura(EVT-2200)・Evita2(EVT-2000)・EVT-8800・EMV-700マイクロベント 7. EngstromELVIRA・ERICA 8. HamiltonAMADEUS・VEOLA・GALILEO 9. IMICV-5000・CV-4000α・CV-3000・2000 10. InfrasonicAdult Star 11. KimuraKV-5・KV-3,KV-3N 12. NMIE-100,100A,100i,100s・201・E-150・206・E-200・210 13. Siemens ElemaServo Ventilattor 900c・Servo Ventilattor 300・300A B.小児用人工呼吸器 1. BearBear CUB 750 VS・Bear CUB II system 2. BirdV.I.P. BIRD 3. DragerBabylog8000・8000plus 4. InfrasonicInfant Star 5. SechristIV-100 B 6. MERA, Metran, Sky NetNeo Beat・ハミングV 7. SLESLE2000,2000HFO C.ポータブル人工呼吸器,その他の人工呼吸器 1. AcomaARF-1500E,900E III 2. AikaVe-1 3. BearBear 33 Volume Ventilator 4. BennettCompanion 2801 5. BirdAVIAN 6. DragerOxylog 2000 7. AequitronLP6 plus,LP10 8. KimuraKSV-1a・KV1+1・311 9. LifeCarePLV102・100 10. OrigimPuppy-2 11. Pulmonetic SystemsLTV-1000・LTV950・LTV900 12. pneuPAC LimitedparaPAC 2,2D,2D,MRI,ventiPAC D.低侵襲性人工呼吸器 1. BennettKnight Star 335 2. Pierre Medical S.AO'NYX・O'NYX plus 3. RespironicsBiPAP model S/T-D,S/T-D 30・BiPAP Vision・BiPAP Harmoney S/T・ESPRIT 4. ResMedVPAP IIST(NIP Nasal)・351 Ⅴ. 付録A.トリガー機構の変遷 1. 黎明期 2. ニューマチーティック全盛期 3. 電気制御の始まり 4. SIMVの普及 5. フロートリガー方式の台頭 6. PSVの普及 7. センサー技術の進歩 8. 流量計測技術が人工呼吸器の設計図を規定する 9. これからのトリガー機構 B.時相分類とモード 1. 時相による換気の分類 2. 時相分類に基づくモードの表現 C.用語事典

目次

1 総論(人工呼吸器の概略;人工呼吸モードの分類;トリガー機構の構成)
2 人工呼吸モードの概念と基本設計
3 各種人工呼吸器の性能比較
4 人工呼吸器(成人用人工呼吸器;小児用人工呼吸器;ポータブル人工呼吸器、その他の人工呼吸器 ほか)
5 付録(トリガー機構の変遷;時相分類とモード;用語事典)

著者等紹介

丸川征四郎[マルカワセイシロウ]
兵庫医科大学救急・災害医学勤務

福山学[フクヤママナブ]
兵庫県立尼崎病院外科勤務
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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