内容説明
第二次大戦時に日独とともに戦ったイタリア軍は、その脆弱な戦いぶりのみが注目され、今までその存在が揶揄されてきた。しかし彼らにも特筆すべき奮闘、優れた装備、死闘を繰り広げた将兵などが数多く存在したこともまた事実であった。本書はイタリア軍の真実の姿を明らかにするべく、第二次大戦のイタリア軍をあらゆる角度から詳解した入門書である。数奇な戦歴は1943年の休戦までだけでなく、休戦後の南北政府の戦いも収録。また航空機、戦闘車輌、軍艦など陸海空軍の主要装備も網羅する。さらには軍装、兵科や、兵たちの生活までも詳細に解説。第二次大戦におけるイタリア軍のすべてがわかる革命的な一冊。
目次
序章 第二次大戦までのイタリア軍の歩み
第1章 イタリア軍の戦歴(イタリア陸軍の戦歴;イタリア海軍の戦歴;イタリア空軍の戦歴 ほか)
第2章 イタリア軍の兵器と装備(陸上兵器と小火器;艦船・小型艇;航空機)
第3章 イタリア軍の編成・兵科と軍装(イタリア陸軍の編成;イタリア陸軍の各兵科;MVSNの編成 ほか)
著者等紹介
吉川和篤[ヨシカワカズノリ]
1964年、香川県生まれ。現在は広告会社でアートディレクターとして勤務。デチマ・マス戦友会協会会員
山野治夫[ヤマノハルオ]
かつて編集プロダクションで修行したが、現在は執筆、翻訳が中心(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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塹壕炊飯
5
貴重なWW2イタリア軍を扱う和書。伊軍の戦歴、兵器、編成と軍装に関する基礎知識を学ぶには打ってつけ。特にエチオピア侵攻などの戦間期伊軍の来歴から解説開始の為、第二次大戦期の軍歴も分かり易かったのは非常に好印象。貧弱な工業力と疲弊した財政にも関わらず、海外派兵を強硬した事情背景を理解出来た。戦車愛好家の著者らしく戦闘経緯の全般に装甲戦力の詳細な解説を交えていたのは印象的。伊軍戦史の基礎概要を知るには最適。だが、兵器単体に関する項目は情報不足な感触が歪めず、少し残念。次作では掘り下げて欲しい。2018/11/17
ろーじゃ
4
イタリア軍の各戦線の説明や、主な陸・海・空軍で使われた兵器、イタリア語で書かれた文献紹介まで幅広く扱った本です。入門と銘打ってますが中身は結構深い。 イタリアは南北格差や工業化の遅れなど、構造上の欠陥があったのは否めないですが、一方で優れた兵器・アルピーニ(山岳兵)を作り出したり、国家の命運をかけて懸命に戦った兵士が多くいたのもまた事実。 「砂漠でパスタ茹でて食べたw」とか失礼なジョークを言う時代は、この本の出版を機に変わっていくと信じたいです(こっちが本音)。 2013/11/18
gurapo
3
WW2中のイタリア軍って実際どうなの?という疑問に答えてくれる優れた一冊。イタリア軍が戦争に参加する経緯もあり、イタリア休戦後の南北に分かれ終戦にいたるまで戦いも収録している。陸、海、空軍さらには兵士の生活や兵器に関することも書かれてあり、あるがままのイタリア軍を知ることが出来る。2012/04/26
江川翔太郎
2
日独伊三国同盟等を結び共に枢軸国側で戦っていたイタリア。しかしイタリアがどこでどのような戦いをしていたのかを扱う本はなかなか少ないため情報があまりなかったのですが、この本には、それらのことが分かりやすく書いてあります。さらにイタリアが降伏した後のRSI軍と南王国軍についてもちゃんと記述がありイタリア降伏後の流れも知ることができます。 さらにイタリア軍が使っていた戦車や戦艦や戦闘機に至るまで解説がありプラモデル作りの参考にもなります。 第二次世界大戦時のイタリアについて知りたいと思った方は是非買うべき本です2018/04/13
鈴木誠二
1
ずっと読むのを躊躇していたのに……ああ~ついに読了してしまった…映画『砂漠の戦場 エル・アラメイン』(初見はTV)以来のイタリア軍スキーが再発火してしまったようです。2018/10/28