感想・レビュー
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ヴェネツィア
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アルプス最奥の3つの村をとりあげる。まずは、エンガティン地方のグアルダ村。ここは家々の壁面が壁絵とスグラフィットで飾られている。バイエルンやチロルにも共通してみられる風景だ。伝統の職人技の感じられる、文化的には豊かな村。ところが、ヴァレー地方に点在する校倉の家々の村々、そして木造に石の屋根を載せたイタリアのボルゴーネ村。取材が1973年と古いのだが、それにしても今でもこんな村があるのかと思うような寒村。住人たちの苦労のほどが偲ばれもし、かつてスイスの産業が傭兵くらいしかなかったというのも肯けなくはない。2020/12/11