出版社内容情報
ガマの油に唐がらし、おなじみバナナの叩き売り。かつて縁日やお祭りを盛り上げてくれた香具師の世界を、今村恒美の味わい深い風俗画をちりばめて、軽妙な話術で語り尽くした一冊。坂野比呂志の名調子CD付き。
内容説明
むかし懐かしい物売りの声、ご存じガマの油にバナナの叩き売りなど、啖呵売の世界がここに甦る。懐かしの売り声、大道芸のすべて。
目次
あいつき
寅さん
帝釈さま
香具師の由来
高市
三種の仁義
瞽女
的屋
神農様
車蒸気〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
稲岡慶郎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
8
臨場感がないとダメだな。2015/06/07
nickkk
1
驚くのは目で読むと頭に入ってこないものが口に出すとすらすらと喋れることだ。口当たりがいい言葉が残っていったのだろう。近年になるにつれ金額を下げたり物品を追加したりといった難しい口上になるのが興味深い。七色唐辛子が口上演じていたのを見た時は不思議に思いつつも不必要でスルーしたのだが、最後まで聞いてみたいと思った。上野駅の千円のお菓子詰め合わせは最近聞かなくて閉店したのかなと思っていたがコロナの影響で声出しNGだったらしい。いままで購入したことはなかったが次寄ったら文化の継続のために貢献しなければなと思った。2024/04/07
茶坊主
1
「香」と「仏具」を売り歩く、「野(武)士」で、「香具師」かぁ~~。 仏壇屋は「香具師」なのかも・・・。 新製品、珍品を、口上一つで盛り上げ、買わせる技術と工夫。ひょっとして、「実演販売」とか「テレビショッピング」のトークに「香具師の口上」が密かに息づいてるのかも。2014/08/01
tama
1
他市図書館からのお取寄せ 安野光雅さんの本で存在を知り。面白い!ガマの油のもともとは「江州伊吹山」で、筑波山ではない!とか、もんじゃ焼きは文字焼きでそもそもがいろんな形に焼いたのを売ってた!とか、「綿あめ」は「電気飴」で機械はロシア製とか。小学生のころお祭りで(まだ傷痍軍人がいた)いろんな動きをする(ことになっている)小さなロボットを片手に口上を滔々とやって客を集め、結局ロボットは動かさないで薬を売るという香具師がいたのを覚えてます。CD付で貸出、聞いても楽しいものだった。2014/07/20
Shuuya Hoshino
0
老人ホームに勤務していたとき、この本を参考にして(ネタ本にして)、バナナの叩き(たたき)売りの口上の原稿を作成しました。バナナの叩き売りの実演は、ホームの催し物でのスタッフによる出し物の1つでした。この口上(バナナの叩き売り)は五七調で、バナナの物語や因縁を語るというつくりが良く出来ていると感心させられます。五七調は耳に快く、そのリズムに乗って流れてくるバナナの小話の構成も面白いと思いました。ですから、香具師(やし)を「ことばの手品師」だという本書の言い方はうなずけます。2020/09/05