フィッツジェラルド/ヘミングウェイ往復書簡集―Dear Ernest,Dear Scott (増補改訂版)

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  • サイズ A5判/ページ数 298p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784870971752
  • NDC分類 935
  • Cコード C3098

目次

(H)7・1 スペイン、ブルゲーテ 僕にとって天国とは、妻と子供たちが居る本宅と、各階に1人ずつ愛人が住んでいる9階建ての別宅があるところ。僕は手紙を書くのが好きだ。
(F)11・30消印 フランス、パリ 先日は迷惑かけてすまなかった。『ポスト』が2750ドルに原稿料引上げ。マコールモン事件。
(H)12・15 オーストリア、シュルンス ツルゲーネフ、トーマス・マン、小説の主題としての戦争について。
(H)12・24頃 オーストリア、シュルンス 「雨の中の猫」、「季節はずれ」について。ハンク・ウェールズ、ハロルド・スターンズ、マコールモンのこと。シカゴ・ポストの『われらの時代に』の批評。
(H)1925年12・31‐1926年1・1 オーストリア、シュルンス リヴライト社より『春の奔流』の出版を断られたので君から紹介されていたスクリブナーズ社のパーキンズに原稿を送りたい。
(H)4・20頃 フランス、パリ ジョナサン・ケイプ社から『われらの時代に』の出版申込み、『春の奔流』をスクリブナーズ社から出版予定。『日はまた昇る』のタイプ原稿完成。君ならいつかノーベル賞がとれる。
(H)5・4 フランス、パリ 『春の奔流』5月21日に出版予定、『日はまた』の原稿はすでに送った。昨日マーフィ夫妻がパリに到着。D・パーカー、セルデス夫妻たちはスペインに行っている。
(H)5・20頃 スペイン、マドリード 『われらの時代』について君が書いた書評の件でお詫び。今日の闘牛は中止になった。『日はまた』を息子に捧げる理由。
(F)6 フランス、ジュアン・レ・パン 『日はまた昇る』に対する助言。
(F)8あるいは9 フランス、ジュアン・レ・パン 禁酒して猛烈に仕事中。12月10日ニューヨークに出航予定。〔ほか〕

著者等紹介

宮内華代子[ミヤウチカヨコ]
青山学院女子短期大学名誉教授。1968年東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業。1971年東京外国語大学大学院外国語学研究科ゲルマン系言語専攻英語学修士課程修了。日本F.スコット・フィッツジェラルド協会会員、日本ヘミングウェイ協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ケイ

128
1925年にヘミングウェイとフィッツジェラルドはパリで始めて会う。その時、フィッツジェラルドは『ギャツビー』発表後の人気作家で、その半年前には会ったことの無い新人作家ヘミングウェイを褒め称える文章を書いていた。2人は急接近し、強い愛と友情で結ばれ、手紙のやり取りをするが、巻末にある年表をみると、酒癖が悪すぎるジェラルドをヘミングウェイが大目に見ていたのがわかる。ヘミングウェイの作品へのジェラルドの批評が興味深い。やり取りの頃の生活は、後にフィッツジェラルド『夜はやさし』にみてとれる。何度も読み返す。2018/12/06

コニコ@共楽

18
『移動祝祭日』を読んで、この二人の手紙を読むと、華々しいフィッツジェラルドがやがてヘミングウェイの名声と逆転していく様子が伺える。そんな中でもちょっとひねくれた二人の友情は続いている。フィッツジェラルドがヘミングウェイの作品をひじょうに詳細に読み込んで、無駄なところを削るように何度も書き記している所に、彼の小説に対するセンスを感じる。二人の文体は真逆と言ってもいいと思うが、お互いに文学に対しては切磋琢磨していることを感じる。フィッツジェラルド、そして編集者パーキンズあっての文豪ヘミングウェイだったと思う。2022/04/30

LcK0812

1
雑談、人物評、書評、文学的談話。そして愛人への手紙にも思えるような熱い心情の吐露。 さすがに文豪だけあり、ジョーク一つにもウィットが富んでいる。当時の文壇についてや、文学的な価値はもちろん、交流を通して移り変わる彼らの立場を読むだけでもたいへん貴重かつ素晴らしい本だった。 最期に一部だけ引用。 「こんなふうに言われてイヤじゃなければ、君こそなんたってぼくのいちばんの友だちだ。それに単なる――ちくしょう―こんなこと書けないよ、だけどこのことについては、心底そう思っているんだ」 アーネスト 1927/3/312021/01/06

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