感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
70
幸せの絶頂で相手が病気で死んでしまうというという悲劇のラブストーリーの先駆的作品。だが、今読むと、この話はあまりにも古臭い。オリバーの描写は淡白で、人生の大きな節目でも、オリバーの心理が詳細に描かれることはほとんどない。淡白な描写なのはその時代の風潮なのかもしれないが、そういった危機的な局面において激しい葛藤も描かれないというのにはかなり違和感を感じるし、ひどく上っ面な印象を受ける。映画が大ヒットし、サウンドトラックも大ヒットしたけれども、小説としてはそれほど上級の作品とはとても思えなかった。2019/08/16