内容説明
本書の特長は、美しい日本語を書いた一人の作家として近松を捉え、その作品にアプローチするものである。即ち、本文の、墨譜・文字譜を除き、会話文・道行文等を改行で示し、往事の趣きを伝える絵図並びに注を掲げ、進んで現代語訳・解説を加えて鑑賞読解の伴侶とした。また、本書の本文・現代語訳と和泉書院影印叢刊『曽根崎心中・堀川波鞁』は底本の丁数により対照できるよう工夫した。
目次
お初観音廻りの道行
生玉社境内の場
堂島新地天満屋の場
お初徳兵衛心中の道行
曾根崎の森の場
現代語訳 曾根崎心中付り観音廻り
解説 近松の生涯と『曾根崎心中』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くくの
8
角田光代さんの『曾根崎心中』から、実際原作はどうなっているのか興味を持ったことから。原作は物語が一気に進み、身分をお初の身辺描写もさらってしている。絵入りということもあり、どこに徳兵衛を隠したのかも分かって良かった。特に言葉の言い回しがリズミカルで、音読しても楽しめる気がした。今度は浄瑠璃を見てみたくなった。2024/01/31
ブルーローズ
2
現代語訳のほか、絵(江戸時代のもの)が入っているので、とっかかりやすい。なおかつ、近松の本文(活字体)が読みやすい大きさの上、レイアウト。「この世のなごり、夜もなごり~」いいですねえ。2010/03/22
Э0!P!
1
話はとても単純だが、日本人だからこそわかるリズムの歯切れの良さが心地よい。判子のトラブルというのは、時には犯罪よりも悲惨な結果をもたらすということは、法学史を見れば明らかだが、江戸時代の当時もありふれた出来事だったんだろうなと思いが至る。2023/06/03
あずきずき
1
入門的なテキストと書かれてあるとおり、読みやすい。注も詳しく、絵入り。 後半現代語訳がある。現代語訳を読むのは2冊目だが、読みやすく感じた。2016/02/10
ゆかりご飯
0
徳兵衛がお初の足を持ち、つま先を首筋に当てて密かに死を覚悟する様にどきどきしました。道行の文章は言わずもがな。切なくて苦しくて美しいです。2012/04/12
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