出版社内容情報
有坂秀世の音韻理論の批判的検討を柱とする学説史研究、上代語オ列音二類対立の崩壊を取り上げた音韻史研究、上代から中古にかけての動詞自他対応形式の成立を中心にした文法史研究の三部構成を取る。
内容説明
本書は、有坂秀世博士の理論に対する批判を柱とする学説史研究、上代特殊仮名遣に関わるオ列音両類対立の崩壊の要因とその過程を検討した歴史音韻論的研究、奈良時代から平安時代にかけての動詞、形容詞およびそれに関与する文法形態の歴史的変遷に関する研究からなる。
目次
第1部 言語史の方法について(有坂秀世『音韻論』の成立;新資料「有坂秀世氏音韻論手簡」をめぐる問題;史的音韻論の成立;奈良時代語オ列音の変遷に関する学説)
第2部 音韻変化について(奈良時代オ列甲・乙母音対立崩壊の契機;オ列音甲・乙対立の崩壊過程;西大寺本金光明最勝王経古点のコの仮名の用法;オ列音甲・乙対立崩壊と有坂法則の関連 ほか)
第3部 文法変化について(奈良時代語動詞における自他対応形式の史的展開;「る・らる」「す・さす」成立の歴史的条件;古代語における動詞派生形態の歴史的変遷;古代語動詞内部形式による範疇的意味表示の発達過程 ほか)
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- 和書
- 世紀末亜細亜漂流