目次
新古今と万葉
尋ぬる恋
由良の門
夕立の雲
都外の月
三夕の歌
歌枕一見
月待つ波 たかのを山
花の白雪
隠岐本一面
通光の歌
秀能の歌
難解歌私解
わが愛誦歌
『玉葉集』の定家
定家の歌歌
本歌取と定歌
定家の歌評
定家の俗調
円熟期の定家
晩年の定家
晩年の歌合
西行「花」の歌
西行の「たはぶれ歌」
俊頼と俊成―「真野入江」から「深草里」へ
歌のことば
王朝の短歌
定家素描―紅旗の戎を征つは吾事に非ず
宗祇と富士
連歌の発句
続 連歌の発句
連歌の効用
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
14
『新古今和歌集』の編纂時の和歌の魅力を詳細に語った書。私のような和歌好きにはたまらない本で、読み終えるのが惜しいと思いました。これまで読み飛ばしていた和歌の魅力に気づかされたり、古典の知識を深めることができました。「わが愛誦歌」で紹介されている後鳥羽院の和歌は、本当に素晴らしくて心に刻まれます。「桜咲く遠山鳥のしだり尾のながながし日もあかぬいろかな」春が近づいている今頃の季節にぴったりの一首。遠くの山の桜は鳥の尾のようにずっと眺めていても飽きない、といった意味で春風駘蕩の春の雰囲気が良く伝わります。2024/03/27