内容説明
長詩「君死にたまふこと勿れ」は、巷間伝えられるように戦争否定、戦争批判、厭戦の詩なのであろうか。晶子への非国民、国賊、反戦的人道主義の文学者、などのレッテルは妥当なものなのかを、この詩の原点や出典を解剖し、晶子の思想や社会的背景、発表後の反響や論争などから考察する。
目次
1 「君死にたまふこと勿れ」
2 「君死にたまふこと勿れ」作詩以前の晶子―堺時代
3 晶子の詩―「君死にたまふこと勿れ」との関連から
4 「君死にたまふこと勿れ」成立の背景
5 「君死にたまふこと勿れ」をめぐる論争
6 晶子の戦争観
7 「君死にたまふこと勿れ」が晶子にもたらしたもの
付録 「君死にたまふこと勿れ」と高校日本史教科書