内容説明
本格的な電子書籍の攻勢を前に果たして紙は生き残れるのか?紙を専門に研究してきた著者がその時々に興味を持った時事問題や社会情勢にも触れ、好評を得た月刊『印刷雑誌』の連載「わたしの印刷手帳」を一冊にまとめた。本書は、紙の三大用途の一つであるメディアを中心にその応用分野の紙と印刷の歴史やデザイン、科学・技術から政治・経済までの幅広い内容で構成される。さらに各種メディアや認知科学の理論から紙の潜在能力を分析的に眺めながら、好奇心旺盛な著者の視点が時に鋭く、時に暖かく紙の行く末を見つめた。
目次
第1章 印刷物の影響力(マスメディアと印刷;歴史と紙、印刷物;文字と紙、印刷物)
第2章 情報と紙の関係(電子的情報端末と印刷物;記憶と情報メディアの関係;情報メディアと機能)
第3章 産業としての印刷と紙(印刷、紙の産業と市場;印刷、紙の産業と環境;印刷、紙の思想と社会)
著者等紹介
尾鍋史彦[オナベフミヒコ]
東京大学名誉教授(製紙科学)、前日本印刷学会会長。1967年東京大学農学部林産学科卒業後、大学院を経てMcGill大学(モントリオール、カナダ紙パルプ研究所所属)留学。フランス政府給費留学生としてCentre Technique du Papier(グルノーブル)客員研究員。92年東京大学教授、2003年退官(大学院農学生命科学研究科・生物材料科学専攻、製紙科学研究室)。元日本印刷学会・紙メディア研究委員長、元繊維学会紙パルプ研究委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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