内容説明
南蛮船で来て南蛮船で消えた日本最初の活版印刷。その活版印刷と共に歩んだのが日本人でありながら日本名がなかった男、天正遣欧使節の従者でもあったコンスタンチノ・ドラード。日本の印刷文化史から欠落している彼の生涯を追跡。
目次
マカオの黄昏
岬の聖母の教会
ヴァリニャーノとの出会い
有馬の学校
お供の旅
ある予感
使節の計画
船出
ゴアで見た印刷
地果て、海始まる〔ほか〕
著者等紹介
青山敦夫[アオヤマアツオ]
印刷文化史研究・ライター。1932年生まれ、早稲田大学第一文学部仏文科卒業。紀元社出版の編集部を経て、1963年に大日本印刷株式会社入社、広報室長、ICC本部長を経て、同社のグループ会社、(株)トランスアート社長、1997年退任後は印刷文化史関連の執筆、講演などに携わる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しん君
5
15歳のとき、ヴァリニャーノ神父のすすめで天正遣欧少年使節に随行し、活版印刷の技術を取得。印刷機械を持ち帰り日本で伝え広めた人物。あまり知られてはいないが、後世に残る大切な使命を果たす。日葡のハーフ。諫早で生まれ、教会関係者に拾われたらしい。そんな事を知るきっかけとなったのは原田マハ著/風神雷神。市図書館のエントランスに立派なドラード像がある。今までまったく気付かずにいた自分に呆れる。キリスト教繁栄から禁教という時代の流れに翻弄された少年らの人生を通して歴史の風を感じる。2022/08/04
OKKO (o▽n)v 終活中
5
今日のコメントは個人的な焦りの吐露ということで…… ◆私としては「絶対にあるはずだアレが」とラテラルシンキング(笑)で確信持って突き止めているものがあるのだが、どの本に当たってもそこんとこの記述が見当たらない。他人が書いてないってことは「大発見」か「妄想」かのどちらかなんだ!! それが人文科学の研究っちゅうもんなのよ! ならばやっぱりドラード先生の一生を読み直すしかない、と3年ぶりに目を通す……ない。絶対あるはずなんだが……今回は時間切れ、締切は目前。諦めて先に進もう。ここで引っかかってると全体が死ぬ!2018/08/28
OKKO (o▽n)v 終活中
4
購入後しばらく温存していたがついにその日が到来 ◆「印刷」の立場から天正遣欧使節団を描いた、ともいえる小説。綿密な調査の跡がうかがわれ、得るところ大。ドラード描くところの信長と秀吉の描写が面白い ◆生来日本名すら持たないドラードと、概ねボンボン育ちの天正遣欧使節団の4人との対比に考えさせられる。いろんなものを背負っているボンボン育ちにしかできないこともあり、一方で気負いのないドラードのような迷いのない生き方もあり ◆ドラード&ニコラオ制作のキリシタン本、イギリスにあるとのこと。手にとって見たい2015/09/15
カネコ
0
○2012/02/16
ユーディット
0
感動的だけれど、どこまで史実なのか怪しい2010/05/18