内容説明
女性でありながら能楽師となった著者が始めた和のボイストレーニング「声の道場」。その中で見つけたもの、それは「日本の声の問題点」だった。
目次
第1章 「声の道場」を始めたきっかけ
第2章 「声の道場」のスタート
第3章 「日本の声」が危ない
第4章 「声の道場」実践の方法
第5章 「こころみの会」で『日本の声』を
第6章 謡の発声について
第7章 もう一度世阿弥と交信を!
第8章 「声の道場」の成果
第9章 これからの課題
著者等紹介
山村庸子[ヤマムラヨウコ]
昭和23年福岡県生まれ。昭和46年慶應義塾大学商学部卒。昭和47年福岡にて観世流シテ方鷹尾祥史師に入門。昭和53年上京し、梅若六郎師に師事。昭和63年観世流師範となり、梅若会に所属。平成17年観世流準職分となる。緑桜会主宰。「声の道場」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Major
42
10年近く前になるだろうか。新宿中野の梅若能学院会館で行われた、この能の発声法いわゆる《声のトレーニング》道場に参加した。能楽師山村庸子師による講義と稽古は、目から鱗の連続で豊かな学びを得た思い出がある。ほぼこの著作に書かれていることが講義の内容だったが、読むのと直に聴くのではやはりそのインパクトは違う。古今東西数ある世界の諸演劇の類でもっとも台詞の声が遠くまで響くのが能の発声らしい。歌舞伎の発声も敵わぬ。他の演劇の発声にはない音波γ(ガンマ)波(あの独特のゆらぎが豊かなγ波を生む)が出ているらしい。→2025/01/15
バーベナ
4
日本語は『口先だけ』で発音できる言語。耳の横(あごの付け根)を触りながら、話してみるとほとんど動かない。試しに、英語で1.2.3と言ってみると違いがわかる。そんな日本語の特性を生かし、自分の身体で響かせる発音をしているのが、和の発音なんだそう。大きな口をあけて・・・という発声練習とはまったく違うアプローチで、まさに目から鱗です。2013/03/12
O. M.
2
能楽師の著者が主宰している、発声塾「声の道場」の紹介。設立の動機(問題意識)、日本語の発声の特徴、実際の発声トレーニング方法など。発生が弱い私としては、改善のヒントを得られればと読んでみました。腹式呼吸、正しい姿勢、息に声を乗せる、息は外に出し切らず、体の中で響かせるのがポイント。字面だけでは中々難しいですね。ちゃんと先生について練習しないと、ですかね。2017/08/06