ロデリック・ランダムの冒険

ロデリック・ランダムの冒険

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  • サイズ A5判/ページ数 505p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784870431478
  • NDC分類 933
  • Cコード C1097

内容説明

『ロビンソン・クルーソー』に匹敵する世界文学で読書の快楽を!不滅のジャンル、ピカレスクの代名詞と言われる18世紀英国小説の傑作、待望の本邦初訳。ヨーロッパ、南米を舞台に戦乱とロマンスに彩られた青春の物語り。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

109
軍医助手、使用人、歩兵、求婚者と純真故にアウトロー遍歴を辿るロデリック。人間の偽善にフォーカスした元祖ピカレスク・風刺小説で聖職者の詐欺・乱倫、役人の強欲、上官の横暴が辛辣に描かれている。著者の経験だけに汚物や脳漿・血飛沫が散乱した軍艦内の描写は迫真。過酷な生活環境で強行に走る主人公の熱情・タフネスが物語を綺麗事で済まさず、同情や欺瞞に生命を注いでいる。令嬢から転落した娼婦、空気が読めない道化役の理髪師、頑固なウェールズ人、借金魔。誰もが転んでもだだでは起き上がらない。ユーモラスでハードボイルドな冒険譚。2022/12/30

まふ

88
大著であるが内容的にはすいすい読めた。「ピカレスク小説の典型」と謳っているが、本作の場合、悪漢は彼を取り巻く周囲の人々である。資産家の祖父に虐待されて金のないロデリックが故郷を出奔し、さまざまな職に就くも、次から次に障害が発生し、船乗りになって医師の資格を取っても艦長、船医長がワルでうまくいかず転々とする。全編このアップダウン&ギリギリの連続であり、いいかげんにしろ、と言いたくなる。それでも生来明るく前向きな主人公の性格がこの危機を辛うじて乗り切らせ、最後はハピーエンドとなる。G1000。2023/06/27

NAO

43
幾多の苦難を乗り越えて幸福を手に入れるという波乱万丈の冒険譚だが、この話は、ローリーの成長と冒険の話であるだけでなく、当時の社会制度を強烈に皮肉っている風刺小説でもある。当時社会にはびこっていた悪徳の数々を描くという意味もあってローリーが次々とその悪徳に引っかかっては苦しめられるのだが、ただ、あまりにも簡単に騙され、あまりにも簡単に這い上がりの繰り返しで、後半ちょっと食傷気味になった。どこまでもローリーの味方をし援助し続けるヒュー・ストラップと、心優しいセイジリー夫人が救いだった。2016/02/12

Ryuko

27
スコットランドの名家の生まれながら、祖父と父の不仲により、十分な資産を得られなかった主人公ロデリック・ランダム。このロデリックが世間知らずというかおめでたいというか、裏切り、詐欺に遭い続ける。文無しから少し浮上、また騙されて文無しに逆戻りの繰り返しなのだ。読んでいるこちらはそのたびに詐欺だよ、騙されちゃうよ、とヤキモキする。18世紀の風俗や、貴族、聖職者など上流の人々への皮肉が興味深い作品。各章の冒頭に概要があるし、この種の物語はハッピーエンドが約束されているので安心して読める。2019/01/11

きりぱい

5
あとがきに、『ディヴィッド・コパフィールド』の父親の書斎にこの本があって、ディヴィットもこの本が私の友と述べていたとあるのだけれど、あったような・・でもタイトルまではおぼろ。読んでいてコパフィールドかトム・ジョウンズかの勢いながら、内容の9割近くが不当に扱われているという転落続きで、波乱万丈の悲惨さではロデリックにダントツの軍配。激高しやすく長所短所が極端でうかつとも言える性質のせいで哀れは誘わないけれど、残り1割の見返す大団円に期待は高まる。とにかく読み切って爽快。2010/04/19

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