内容説明
中国農村部で誕生した「希望学校」とは何か。近年、中国の農村部では、外部建築設計者とNGOの協力の下、都市にはない空間を備えた「希望学校(中国の貧困地域の児童・生徒を修学させるための募金や寄付などの活動により建設された学校)」と呼ばれる個性的な学習空間を設えたり、地域社会との連携を表明する学校が増えている。その中には、四川大地震や青海地震などの地震後に再建された学校も多い。素質教育という教育プログラムの視点から、中国都市部・農村部における学校建築計画及び建築計画の現状と課題を探究する。
目次
第1章 序論
第2章 都市部における学校
第3章 農村部における「希望学校」
第4章 「希望学校」の計画・建設プロセス
第5章 「希望学校」がもたらす地域環境
第6章 「共生学校」―次世代学校モデルの初歩的な提案
著者等紹介
範懿[ハンイ]
1983(昭和58)年、中国南京市生まれ。九州大学人間環境学研究院助教。2007年中国の中央美術学院建築学院建築学科卒業後、ドイツで最も規模が大きい建築設計事務所の一つ「KSP J¨urgen Engel Architekten」の建築設計事務所(北京支社)設計部門に就職。建築設計者として2008年の北京オリンピック大会に関わるプロジェクトである国家図書館、美術館・博物館等多くの公共施設及びマンションの実施設計に携わる。2012年、九州大学大学院芸術工学府に入学。2014年にデザインストラテジー専攻博士課程(前期)を修了、2017年に博士課程(後期)を修了し、博士学位(工学)取得。一貫して教育施設に関する研究活動を行っている。特に都市部と農村部における教育格差の是正、創造性を育む空間、地域固有の文化の継承、地域活性化、震災復興などを通し、多様で創造的な人材を育成するための次世代の学校建築モデルの確立について研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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