内容説明
平和な朝食風景。幼い娘がこぼしたヨットの形をしたミルクが一家を悲劇に導く(「白い朝」)。
著者等紹介
鈴木比嵯子[スズキヒサコ]
1937年福岡市生まれ。西南学院大学文学部・福岡大学法学部卒業。同人誌「月曜」、「西南文学」、「風化」、「ガランス」創刊にかかわる。「ガランス」同人。九州芸術祭文学賞・福岡地区優秀作。福岡市文学賞受賞。福岡市文学賞(小説部門)選考委員。(株)梓書院・代表取締役会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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華形 満
8
刊行は今年2月だが収録作4編全て13~24年も前の作品。初読著者で齢81の大ベテラン作家氏だが、正直、知名度は?だが実際に読み進むと文章の読み易さもあるが、全て「妻と夫の家族との関係の機微」に一貫していて、しかも私の様な男性(夫)立場からも共感出来る部分が大いに感じられる。特に2作目「青葉木菟」は、超エリートな夫の情緒退行(精神が原因不明のまま幼稚化していく症状→病気ではないらしい)に自らの立ち位置に悩む妻の心情が非常に上手く描かれており秀逸。夫の家族との付き合いに悩む女性には必読書。2018/05/06