内容説明
「ほうしゃのう」のないところで暮らしたい。子どもたちは傷つきながらそれでも希望を抱きしめている。チェルノブイリ原発事故で被災した子どもたちの作文集。
目次
第1章 あの日のことを覚えている(喜びは幼年期に置いてきた;空が急に暗くなった… ほか)
第2章 事故に遭遇した子どもたち(ベラルーシの運命はわたしの運命;ジェミヤンキ村との別れ ほか)
第3章 身の回りで事故を経験した(わたしたちを助けてください神様;スベトラーナちゃん ほか)
第4章 事故のために変ってしまった(ぼくのコウノトリはどこにいるの;心に秘めた願望 ほか)
第5章 ラジオ・テレビなどで取り上げられた作文(チェルノブイリの黄色い砂;殺されるまぎわの馬の悲鳴 ほか)
第6章 来日した子どもたちの作文(母のもとに六人残った;ハッカの匂いがした ほか)
著者等紹介
河上雅夫[カワカミマサオ]
1951年福岡県生まれ。1990年チェルノブイリ支援運動・九州の結成に参加し、以後、民間企業に勤務しながら事務局メンバー、運営委員として活動を継続する。2007年チェルノブイリ支援運動・九州をNPO法人化してチェルノブイリ医療支援ネットワークに改名。2010年同理事長に就任。2012年2月チェルノブイリ医療支援ネットワークが「平成23年度福岡市市民国際貢献賞」を受賞する。現在、(特活)NGO福岡ネットワーク理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かもめ通信
9
1986年に起きたチェルノブイリ原発事故。事故から8年後にベラルーシで開催された作文コンクールの応募作品を集めたこの本の書き手は、十代半ばの子どもたち。事故当時まだ本当に幼かった子どもたちが、あの日のことを鮮明に記憶していることにまず驚く。死と真剣に向き合ったとき、人は詩人になるのだろうか?どの作品も十代半ばの子どもが書いたとは思えないほどの鋭く深い。涙が止めどなく溢れたが泣いてばかりもいられない。今こそ、今だからこそ、彼らの想いを受け止めなければ。もっと読むべき、読まれるべき本として全力でお薦めしたい。2014/01/06