内容説明
この作品は、60歳を過ぎたメビウスが、ラフスケッチや下描きをせずに一発描きで、しかも修正ひとつ入れずに仕上げた、奇跡の絵物語である。砂漠で瞑想する男の前に現れる無数の神秘的イメージ。天使や髑髏,宇宙的生命体から不思議動物まで、夢幻の光景を筆のおもむくまま、自由に描ききった、まさに「神の業」。
著者等紹介
メビウス[メビウス][Moebius]
世界中に影響を与えたフランスの漫画家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
68
バンド・デシネで有名作家のメビウスによる作品。スケッチ風な画にページをめくるとエロスとタナトスか未来と宇宙を表しているかのような、いずれにしても頁をめくるたびに夢が拡散していくような作品です!。巻末のインタビューでは「私にとって瞑想は日本の坐禅のイメージにも結びついています。」と言っているのが印象的でした。2025/02/11
Roy
22
★★★★★ 素晴らしいこの緻密さ、それも修正を入れない一発書きだと言うので尚更である。文字が無く絵だけで、説明をああだこうだインタビューで著者のメビウスは言っているのだけど、考えだすと面倒だから無視することにする。僕の中では、瞑想中の神の不謹慎な妄想である。神は遊ぶ、神は乱交する、神は四つん這いになる、神は奴隷を弄ぶ、神は土下座する、神は女装する、神は窒息させられる、神は山になる、神は噴火する、神は。でこうなると、モチーフの棒とか砂漠とかって説明出来なくなっちゃうんだよね。おじゃん。2009/06/24
里馬
20
【借】生まれ変わったらね、映画監督なってこれを映像化してみたいんだ。そんでね、メビウスファンにこき下ろされようともね、知らない人に教えてあげたいんだ。2009/09/17
内島菫
17
砂漠、瞑想する男、奇天烈なものたちとくると聖アントニウスの誘惑を連想する。下描きなしでいきなりロットリングで描いているとのことだったが、確かにそう見えないほど構図もデッサンもすごいのだけれど、どこかに奇妙な歪みというか違和感も感じられるのがいい。巻末近くにレインコートを着て絵(油絵?)を描くメビウスの写真があったが何の解説もないのが面白い。インタビューに答えるメビウスの「グラフィックの夢想」「あまのじゃく的で気まぐれな行為というものは、すべて天使の庇護のもとにあるのですよ(笑)」という言葉が印象的だった。2022/08/20
ノベツ
7
メビウスの空想世界が、下書き修正一切なしのペン書きで描かれる。ややグロテスクで不気味な世界も凄いが、下書きなしでパース、構図ともに見事に描き切る画力が圧巻。斜線や点で陰影や質感があらわされてるのも恐ろしい。こんな絵がかけるなら毎日楽しいだろうなぁ、と本当にうらやましくなる。2019/04/06
-
- 和書
- 平均場近似による核物質