内容説明
タブーを紐解けば真実が見えてくる。原爆投下、宗教戦争、共産主義、ナチス、ポルポト、アルカーイダ…気鋭の歴史家が数々の殺戮の軌跡をなぞり、人から人へ、連綿と受け継がれる「人殺しの原理」を読み解く異色の教養書。未曾有の危機に直面している日本人への警世の書。
目次
序章 日本―なんとも幸せな国(日本はパラダイスだった!?;元寇は日本の目を覚まさせた ほか)
第1章 大航海時代から帝国主義の時代へ(ポルトガル・スペイン;コンキスタドレスの脅威 ほか)
第2章 国民国家の誕生(“日本人”は存在しなかった;国家建設には多くの犠牲を伴う ほか)
第3章 ファシズムとユダヤ人、そして日本(日本人が理解できないファシズムという思想;ヒトラーが描いた狂気の思想的設計図 ほか)
第4章 虐殺の温床としての共産主義(ファシズムと共産主義;共産主義の誕生 ほか)
第5章 虐殺が生み出す怨念の連鎖―文明の衝突(文明の衝突;恥ずかしい国、日本 ほか)
著者等紹介
小滝透[コタキトオル]
1948年、京都市に生まれる。1974年、金沢大学法文学部中退。1979年、王立リヤド大学文学部アラビック・インスティテュート卒業。豊富な学識で文化・宗教・歴史などの分野に切り込む、気鋭のノンフィクション作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テツ
18
古今東西歴史のあらゆる場面で行われてきたジェノサイド。人の群れは他の群れを平気で惨殺するという事実。そんなことはあってはならないし無くさなきゃならないのは勿論なのだけれど無抵抗の弱い存在は襲われ食われてしまうというこの世界のあたりまえの在り方については真剣に考えなくちゃいけないよな。弱い奴は食われてしまう。これは確固とした事実としてある。ならどうするか。群れとして強くなるべきなのか。食われるに任せるべきなのか。事実を事実として認めた先に議論が生まれる。2017/12/25
へーた
17
思っていた内容と全然違っていたけど、これはこれで興味深いものだった。2017/03/04
しんたろう
5
図書館の戦争関連の特設コーナーで見つけた本。スペイン人のインカ・アステカ殺戮、米国人のインディアン虐殺からユダヤホロコースト、文化大革命、スターリン粛清と虐殺の歴史と加害者対被害者の力関係を容赦なく説明する。平和を愛する諸国民の公正と正義などと言う綺麗ごとを前文(前提?)とする憲法を守る事と、尖閣・沖縄への軍事的侵略を繰り返す中国から国民を守ることがどっちが大切なのか?反日勢力に侵されたマスコミに左右されず自分で考える基礎として使える本か。こんな本を特設コーナーに置く図書館も少し変わったのかな(笑)?2015/07/20
ひろつそ
4
世界の歴史はこれほどまでに残酷なんだということを、日本人は理解しなければならないと思う。2014/09/01
チューリップ
2
全体的に作者の主張が強めだなあと思った。偏っている感じなのでこういう事もあったんだなと知るにはいいけど主張されている事をそのまま信じるのは何か違うかなと思った。2017/05/25